IDC Japanは3月7日、国内携帯電話、およびスマートフォン端末の2015年通年(1月~12月)と2015年第4四半期(10月~12月)の出荷台数を発表した。
2015年通年の携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、スマートフォンの増加分が従来型携帯電話の落ち込みを補完することができず、前年比5.9%減の3442万台。2015年第4四半期もその傾向に変わりはなく、前年同期比15.7%減の1046万台となった。
2015年の国内携帯電話市場でシェア第1位を維持したアップルだが、2015年第4四半期のiPhone 6sの販売が伸びず、前年同期比20.8%減と大幅に落ち込んだ。第2位にはスマートフォンと従来型携帯電話を安定して供給しているシャープ、スマートフォン端末に特化したソニーは第3位、京セラが第4位、富士通が第5位となり2014年から順位に変更はなかった。
一方、2015年通年のスマートフォン出荷台数は従来型携帯電話からの移行が進み、前年比3.6%増の2749万台。しかし、2015年第4四半期だけをみるとiPhoneの落ち込みが影響し、852万台、前年同期比13.7%減のマイナス成長だった。また、この落ち込みは年間のスマートフォンOS別シェアにも影響を及ぼしており、2011年以降、順調に伸ばしてきたiOSが2015年は後退し、52.4%となった。
2015年のスマートフォンのベンダー別シェアでは、アップルが2014年から6.3ポイント落としたが第1位を維持。第2位以下は、ソニー、シャープと続き、2014年に第4位であったサムソンは第6位に後退、京セラが第4位、富士通が第5位へと、それぞれ順位を上げた。
IDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネージャーの片山雅弘氏は「大手通信事業者の2015年度第3四半期決算を見ると、各社とも増収・増益(増収:2%~8%、増益:11%~18%)である。この要因として、契約者向け動画などのコンテンツサービスが伸び、利用単価が上昇していることが挙げられる。また昨年2月に始まった総務省の『携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース』を見越して、販売経費の削減を行った効果が出てきたことも背景にある」と分析。
さらに「今後は、タスクフォースの答申に基づく総務省要請によりスマートフォンの実質0円販売を廃止することで、通信事業者は過度の買い替えを追う必要がなくなり、端末販売や価格設定に関する主導権は、iPhoneを中心に携帯電話機ベンダーから通信事業者に移っていくであろう」と述べている。