パナソニックのグループ会社であるパナソニック システムネットワークスは3月4日、新開発の32チャンネル集音アレイマイクとIP対応の全方位カメラを組み合わせることで、約300m先から飛来するドローンを確認することができる「ドローン検知システム」を開発し、同月7日よりシステムの受注を開始すると発表した。
同システムは、32個のマイクを円形に配置したマイクアレイ構成の「集音マイク」により、ドローンの飛来音を検知。ドローン特有のローター回転音、風切音などを全方位マイクで検知する。マイクへの入力音信号が特定方向に対して位相が揃う条件で信号加算を行い、ドローンの飛行音があれば信号強度が上昇することで検知する仕組みとなっている。
これまで音による検知システムでは100mから200mの範囲が一般的だったが、同システムはマイクからの入力音信号に対し、信号バラつきを抑える設計や信号解析処理を組み合わせることにより、約300m先から飛来するドローンを飛行音で検知することができるという。
また、円形に配置した「集音マイク」の中央部に9メガピクセルの「全方位カメラ」を搭載した一体型のため、可搬性を有する。そのため特定場所への常設のほか、イベントなど一定期間だけ設置が必要な場合にも活用を可能としている。
さらに、設置場所の騒音環境を視覚的に把握し、より検知精度を高めることに貢献する「ヒートマップ機能」を搭載。同機能より、設置場所の騒音環境を視覚的に把握できるほか、ドローンが飛来する可能性がある区域以外を検知エリアから除外することでノイズ源の影響を低減し、飛来するドローンを早期に検知することができるという。
そのほか、昼夜に対応した旋回・チルト、ズーム(光学30倍)が可能な監視カメラシステムと連携したシステムアップをすることが可能。これにより、集音マイクが捉えたドローンを映像で確認することができる。マイクにより検知したドローンをモニター画面で確認しながら追尾し、必要に応じて拡大表示することも可能だ。