年間820万人が訪問するオーストラリア最大の観光地であるシドニー・オペラハウス。シドニーの北側、ポートジャクソン湾に突きだした絶景が展望できる場所に、白いヨットの帆が幾重にも重なるような近代的な建物が水面に浮かぶように立つ。世界遺産にも登録されている、このオーストラリアを代表するシドニー・オペラハウスがAdobeと2年にわたるパートナーシップを組み、デジタル化を促進していくことが3月1日(現地時間)に発表された。
このシドニー・オペラハウス。コンサートホールには世界最大級のパイプオルガンを備え、オーケストラやオペラ、ミュージカルやバレエなど数々の催し物が開かれるが、ユーザーは実際に現地に訪れるユーザーだけではない。オフィシャルサイトの「Events」タブには、オペラ、ダンス、手品、シアターなど13種類の分類が設けられており、週に"40回"は開かれるという各種イベントのページに紹介文、スケジュール、数種類の座席シートごとに購入ボタンが設置してある。ほかにも、PDFで用意されたモバイルマップにアクセシビリティマップ、ディナーメニューを配信してくれるメールサービス。夜景をバックにした美しいオペラハウスの写真から建築中の状態を記録した歴史的な写真までがアーカイブされているフォトギャラリーや、イベントを含む映像の数々と豊富なコンテンツを持つWebサイトを構築している。
Adobeが提供するAdobe Marketing Cloudは、分析からコンテンツ管理、ターゲットへの適切なキャンペーン施策とクロスチャネルでユーザーに最適な体験を提供するクラウドソリューション。デジタルコンテンツの充実したシドニー・オペラハウスとの提携は、シドニー・オペラハウスにかつてない"デジタル変容(Digital Transformation)"をもたらす可能性がある。
今回の提携について、シドニー・オペラハウスのCEO、Louise Herron AM氏は、「イノベーションはシドニー・オペラハウスのDNAの一部です。このパートナーシップは、ただ単に新しいマーケティングソリューションの実行ではなく、Adobeのテクノロジーの潜在能力を代表するようなコラボレーションになり得るでしょう。リニューアルは、建物自体やステージで上演されている経験と同様に、進化し続ける人類の創造性を守るこの世界遺産を確実にするものです」と述べている。
また、Adobe Asia Pacific PresidentであるPaul Robson氏は、「シドニー・オペラハウスは、創造性(Creativity)の象徴であり、Adobeはクリエィティブカンパニーであるが故に、私たちのブランド間に生じるシナジーは特別なものになります。私たちは、ブランドが"物質"と"デジタル"の双方が作用する時代に生きています。特別なカスタマーエクスペリエンスをすべての顧客接点において作り出すことは、重要でAdobeプラットフォームは、観衆やビジターをかつては実現できなかったレベルへ誘います。創造性に添ったこの新しいデジタルイノベーションの体験が、オーストラリアの中だけではなく世界の人々に届けられることを楽しみにしています」とコメントしている。