アクセンチュアは3月1日、ペガジャパンが提供するアプリケーションの確実かつ効率的な導入により、日本企業におけるソフトウェア主導の超高速なビジネスモデルの実現を支援する、プロジェクト組織「ペガ・センター・オブ・エクセレンス」を創設した。
初めに、アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 マネジング・ディレクターを務める篠原淳氏が「ソフトウェア主導のビジネス」について説明した。
「現在、ソフトウェアはあらゆる業界で破壊的な創造をもたらしている。そうしたなか、ソフトウェアが市場における競争優位性を握っており、企業はソフトウェア主導で実現できる高速なビジネスモデルを検討すべき」と篠原氏。
しかし、企業がソフトウェア主導の高速ビジネスを実現するにあたっては、さまざまな課題がある。その例として、「サイロ化されたビジネスとITシステムからの脱却」「パートナーと形成するエコシステムの拡大」「レガシーなシステムからの脱却」「アプリケーションの複雑性への対応」が挙げられた。
篠原氏は、アクセンチュアがソフトウェア主導の高速ビジネスを実現する日本企業に提案する、アプリケーションに関する3つの戦略を紹介した。
1つ目の戦略は「リキッド」で、ソフトウェア開発のアプローチとなる。篠原氏によると、リキッドは従来のソフトウェア開発手法であるウォーターフォール、アジャイルの次に来るアプローチであり、モジュール化されたアーキテクチャに対し、コンポーネントをつなぐ形でアプリケーションを構築していく手法だという。
2つ目の戦略は「インテリジェント」で、アプリケーションが自ら理解し、行動し、学習することを意味する。インテリジェント・アプリケーションにより、インテリジェント・オートメーション、統合的なアナリティクス、自律性という能力を獲得できる。
3つ目の戦略は「コネクテッド」で、ソフトウェアを利用して組織の境界線を取り払うことを意味する。コネクテッド・アプリケーションにより、パートナーや顧客とのエコシステムのほか、IoTと接続する技術的な手段を獲得できる。
この3つの戦略を実現するのがペガが提供するソリューションとなる。ペガのソリューションは、ノンコーディング開発によりリキッドを実現し、分析機能と推奨アクションを提示する機能によりインテリジェントを実現する。さらに、堅牢な接続技術によるデータ連携の自動化により、コーディングレスで標準プロトコルとデータ転送を実装できるため、ユーザー部門とIT部門の高度な連携やバリューチェーン横断によるデータ連携とIoTへの対応を可能にする。
ペガジャパン代表取締役社長の渡邉宣彦氏からは、同社の製品の説明がなされた。同社はコーディングをせずに独自のビジュアルツールで開発することができる統合開発プラットフォーム「Pega7(ペガ・セブン)」を提供しているほか、Pega7を基盤として、「Marketing」「Sales & Onboadrding」「Customer Service」「Operations」といったアプリケーションを提供している。
渡邉氏は、同社のブランドのキーワードは「進化」であり、進化のためのアプリケーション開発のポイントは「デザイン思考」「"脱"高速開発……作らない」「クラウド・ネイティブ」であると語った。
デザイン思考を実現する機能に「DCO(Directly Capture Objjectives)」がある。DCOとは、ユーザーの要件をその場で実装・実行する要件定義手法で、プロトタイプを利用して視覚的に要件策定が行える。
アクセンチュアのリソースとアセット、ペガのソリューションを活用して、前述したアクセンチュアのアプリケーション戦略に基づくソフトウェア主導の高速ビジネスを実現する組織が「ペガ・センター・オブ・エクセレンス」となる。
具体的には、ペガ・センター・オブ・エクセレンスを起点に、ITプロジェクトに応じた専門組織を顧客企業に立ち上げ、個別のニーズに対応しつつ、ペガ製品導入の費用対効果を迅速に最大化する。
ペガ・センター・オブ・エクセレンスには、発足時点で数十名の人員が属しており、数年で100名規模にまで増員する計画だ。