宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月29日、2月17日にH-IIAロケットで打ち上げたX線天文衛星「ひとみ(ASTRO-H)」について、冷却システムの立上げ、軟X線分光検出器(SXS)の試験動作、伸展式光学ベンチ(EOB)の伸展など、重要なシーケンスが正常に実施されたことを確認したと発表した。
同衛星はこれでクリティカル運用期間を終了。今後、搭載機器の初期機能確認を約1カ月半、その後キャリブレーション観測をさらに約1カ月半かけて実施する予定となっている。
「ひとみ」は2015年に科学観測を終了したX線天文衛星「すざく(ASTRO-EII)」の後継機。すざくに比べて観測能力が大幅に向上しており、ブラックホールの観測などを行う。名前は「ひとみ」(ASTRO-H)が「熱い宇宙の中を観るひとみ」であることや、画竜点睛の故事などが由来となっている。