カネカは2月29日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で壁面設置型の低反射環境配慮型太陽光発電システムを開発し、横浜市戸塚区の大成建設技術センター内にて実証試験を開始すると発表した。

今回開発されたのは、太陽電池モジュールの表面の凹凸構造によって光散乱させ、反射を低減させるとともに、太陽電池モジュールの内部に光を閉じ込める技術を用いて実発電量の向上を図る低反射モジュール。新しい防眩技術により多彩な色をつけることを可能とし、意匠性も高まっているという。

近年、化石燃料などから得られるエネルギー消費量がゼロとなる建築物「ZEB(Net Zero Energy Building)」の実現に向けた取り組みが進められているが、ZEBの推進には、設置面積の限られた建物の屋上だけでなく、壁面にも太陽光発電システムを導入し、エネルギー自給率を高めることが必要となる。

実証試験では、同モジュールにおける発電量を確認するとともに、年間日射のほとんどが斜入射となる建物壁面設置の太陽光発電システムにおいて、年間発電量の向上を実証する予定。

同社は、光害対策などの設置環境に配慮し、景観に調和した意匠性の高い壁面設置型の太陽光発電システムの実用化を目指し、ZEB実現に向けた取り組みを進めていくとしている。

壁面に設置した建物設置低反射環境配慮型太陽光発電システム