ウルシステムズは2月25日、英C24 Technologiesと提携し、Javaプログラムのメモリ使用効率を最大500倍に高めるミドルウェア「ULFIRE Memory Optimizer」の提供を開始した。価格はシステムの規模に応じて設定され、エントリーシステムは520万円~。なお、新ミドルウェアは、C24 Technologiesのデータ圧縮技術「PREON」のOEM供給を受けて提供する。

近年、IoTやFinTech、機械学習といった取り組みの一環でインメモリ技術の導入を検討する企業が増加しており、同技術は処理の高速化が期待できる一方、高性能サーバやデータグリッドなど高価なハードウェアやミドルウェアを用意する必要がある。

しかし、予算の制約からデータ容量に見合うだけのインフラを用意することができず、インメモリ処理を諦めざるを得ないケースは珍しくないという。

新ミドルウェアはJavaプログラムの実行に必要なメモリ使用量の削減を可能とし、Javaオブジェクトを自動的に圧縮することで、メモリ上に展開するデータのサイズを最大で500分の1まで縮小。

必要な実メモリ容量を減らすことにより、インメモリでの処理スピードを維持しつつ、ハードウェア・ソフトウェアライセンスの費用を抑えることができるという。新ミドルウェアは概念検証(Proof of Concept)の実施や、導入とパフォーマンスチューニング、大規模超高速処理システムの設計・開発の支援、ソフトウェアライセンス、保守サービスの提供などを行う。

ウルシステムズは大規模超高速処理システムの開発経験に照らしてPREONをつぶさに検証し、企業の戦略的ITにとって有益であると判断。金融分野における約定・決済システム、デジタル広告のリアルタイム配信システム、通信分野をはじめとするIoTやビッグデータ処理などへの適用を見込んでおり、同社では今後3年間で30社以上の導入を目指す。