Twitter Japanは2月18日、Twitterの現状、課題、これからの戦略に関するラウンドテーブルを開催した。これは最近、CEOの交代や140文字の文字制限の変更、タイムライン表示の変更等、ユーザーからさまざまな懸念が出ていることを考慮して行われたもの。
なお、140文字の文字制限の変更については説明会の中で「まだ、正式に決まったものではない」と回答している。
同社 代表取締役 笹本裕氏は、冒頭「最近いろいろお騒がせしている部分もあるが・・・」と前置きした上で、「Twitterは今年の3月で10周年を迎えるが、10年前にシンプルだったTwitterは進化しており、今後はとくに映像の領域で進化させていきたい。また、Twitterならではの機能を強化していかなればならないと思っている。そういう意味で、存在意義を見直す必要があると思っている」と語り、何度も「原点回帰」を強調した。
同氏は原点回帰の意味について「Twitterがここまで大きくなった要因の1つにAPIがあり、これにより、Twitter上でいろいろなものが開発できる。APIをデベロッパーの方に快適に使ってもらえることが原点で、それをしっかりやっていく」と述べ、開発体制を強化していく意向を示した。
そしてTwitterの役割については、「個人がマイクを持ったように、個人の声が世界を駆けめぐり、一瞬で拡散できる点だ」と述べ、その強みを「生の情報をリアルタイムで配信することだ」とした。
Twitterのグローバルでの月間アクテイブユーザー数は3億2,000万人で、米国以外からの利用が79%だという。一方、日本での月間アクテイブユーザー数(2015年12月)は3,500万人で、これは現在、米国に次ぐ2位となっている。日本での月間アクテイブユーザー数は2011年に日本オフィスを開設した時点に比べ、5.2倍拡大しており、特に最近は30代、40代の利用が伸びており、それが日本の成長の要因の1つだという。
笹本氏は「成長が鈍化しているのではといううわさもあるが、あらためて伸び始めている」と語り、伸びの鈍化を否定。今後については「(APIの活用などで)Twitterアプリ以外の利用が成長に寄与していくようにマーケティングをしていきたい」と述べた。
笹本氏は、同社の今後の目標として利用者と収益の拡大の2つを挙げ、利用者の拡大では、これまでTwitterを使ってこなかった人へのアプローチを行っているという。その対策の1つがニュース機能の提供だ。
これについて同社執行役員 事業成長戦略本部長 兼 メデイア事業本部長 牧野友衛氏は「利用者を拡大する上での課題は、使い方が難しいという点と、ツイートしないので使わないという点だ。ニュースは、Twitterの使い方を覚えなくても、今何が話題になっているかを簡単に見ることできる。また、ツイートしなくてもTwitterを使っている人も多く、ツイートしない使い方を多くの人に知ってもらうため、オフラインでの宣伝を行っている」と語った。
一方、収益の拡大については、動画広告とデータライセンスが軸になるという。動画においては、昨年、ライブ配信アプリ「Periscope」を提供しており、笹本氏は「今後は映像の分野でリアルタイムに伝えられるように強化していく必要がある。今年を動画元年として、機能強化していきたい」と述べた。
データライセンスについては、「Twitterでの趣味、嗜好を活用することによって、精度の高い広告配信ができると思っている。ツイートの中身をいかに収益につなげていくかだ。それはTwitterだけのことではない。Twitterの外側の広告機会も大きい。今後はTwitter経済圏の拡大に注力していきたい」と語った。
そして2016年は、次の一歩として
・新しいイノベーションを起こすためにプロダクトの見直し
・Periscopeを含め動画に力を入れる
・クリエイターのサポート
・プロダクトの安全性を高める(非望・中傷の検知・削除や中高生への教育)
・開発者との関係を強める(開発者がAPIを使いやすくする)
を行っていくという。