宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月17日、同日17時45分に種子島宇宙センターから打ち上げられたH-IIAロケット30号機に搭載されていたX線天文衛星「ASTRO-H」が正常に分離し、太陽電子パドルの展開が正常に行われたこと確認したと発表した。また、同衛星を「ひとみ」と命名したことも明かした。
「ひとみ(ASTRO-H)」は打ち上げ後14分15秒後にロケットから分離。同日19時40分にASTRO-Hからの電波をJAXAの内之浦局で受信し、太陽電池パドルの展開が正常に行われたことが確認された。
「ひとみ」という名称の由来は以下のとおり:
- 「ひとみ」(ASTRO-H)が「熱い宇宙の中を観るひとみ」であること。
- 画竜点睛(竜を画いてひとみを点ず)の故事において、ひとみを描きこんだ途端に、竜が天に昇ったことから示されるように、物事の最も肝要なところという意味に使われる。「ひとみ」(ASTRO-H) は、X線天文学において、物事を知るのに最も肝要なミッションになってほしいという願いが込められている。
- 瞳は、眼の中で光を吸い込む部分でもある。ブラックホールは「宇宙の瞳」であるともいえる。「ひとみ」で「宇宙の瞳」を観測する。
同衛星は今後、ブラックホールなどの観測を行っていくこととなる。X線天文衛星「ASTRO-H」について詳しくは大塚実氏によるレポート「X線天文衛星「ASTRO-H」がプレス公開 - 絶対温度0.05度を実現する冷却装置に大注目」をお読みいただきたい。