EMCジャパンは2月15日、都内で記者向けにオールフラッシュ製品「XtremIO」の優位性と最新事例の説明会を開催した。

EMCジャパン XtremIO 事業部 シニア システムズ エンジニアの市川基夫氏

冒頭、EMCジャパン XtremIO 事業部 シニア システムズ エンジニアの市川基夫氏が近年のオールフラッシュストレージの動向について「2015年7月のIDCの調査によると、アジア・パシフィック地域でオールフラッシュストレージを使用、または今後1年以内に導入予定がある企業は72%となっている。XtremIOは昨年の後半から引き合いが多くあり、2015年第3四半期のオールフラッシュアレイ市場におけるワールドワイドのシェアは39%、日本国内では28%とともにシェアNo.1を獲得した」と胸を張った。

XtremIOは2015年第3四半期のオールフラッシュアレイ市場で国内外でNo.1を獲得

XtremIOの特長について同氏は「スケールアウト型であり、安定した性能、インライン&インメモリ、コピーデータ管理が挙げられる。また、設置スペースや消費電力が削減できるほか、運用は数分で行える。オールフラッシュ製品は高価なものだと考えられがちだが、イニシャルコストを含めたコストを削減することができる。他社のオールフラッシュ製品は継続して使用すれば2~3年で性能が不安定になるが、XtremIOは常に一定のパフォーマンスが期待できる」と強調した。

さらに「スケールアウト型オールフラッシュアレイであり、16アクティブ・コントローラーにより200万IOPSの性能を発揮し、フラッシュに書き込む前にデータが削減されるデータ削減機能により余分なディスクが必要なく、物理ディスク容量をセーブしストレージコストを削減することができる。また、性能面ではスパイクが発生しないため一貫して安定しているほか、使用量に関係なくIO性能を維持することが可能で容量と性能を満たすストレージだ」とXtremIOの優位性を訴えた。

IDCフロンティア カスタマーサービス本部 プラットフォームサービス部 クラウドグループの金井崇氏

続いて、IDCフロンティア カスタマーサービス本部 プラットフォームサービス部 クラウドグループの金井崇氏が同社の北九州データセンターの西日本リージョンを新設し、XtremIOを導入した背景を語った。同氏は「クラウドのストレージは容量と負荷増大の戦いであり、われわれは2011年に『EMC VNX』と『FAST VP』による自動階層化を採用した。しかし、ユーザーからデータがHDDに乗ると遅くなり、コントロールできないとの指摘を受け、XtremIOの採用に至った」と述べた。

また、同氏はオールフラッシュが提供する機能と価値として「容量を目的にしているわけではなく、インライン重複排除とリアルタイム圧縮でキャッシュの効率利用によるVMディスク性能の向上のほか、コントローラのソフトウェアで高速なVM作成の支援を重視しており、そのような観点からXtremIOは、われわれの要求とマッチした」と説明。

IDCフロンティアが考えるオールフラッシュが提供する機能と価値

そのほか、金井氏は性能安定試験で一貫したレイテンシを実現したことや通信量限界負荷試験ではネットワーク帯域160Gbpsで1万2121MB/sのパフォーマンスを得たことなどを紹介したほか、ストレージ性能試験では西日本と東日本のリージョン間でDATAディスクが2倍、rootディスクが40倍、データベース性能試験では3.77倍の差が出たと主張した。

今後、IDCフロンティアでは東日本リージョンも次期ゾーンからオールフラッシュの採用を決定しており、近日中にリリースを予定している。