三菱電機は2月12日、無線LANと音波による測位を組み合わせて誤差1メートル以内で位置を検出できる屋内位置検出システムを開発したと発表した。これにより、例えばGPSの電波が届かない地下駐車場での駐車位置までのナビゲーションや倉庫での物流管理など、さまざまなシーンでの利便性向上に貢献するとしている。

駐車位置検出への活用例

同システムの特長として音波による位置検出装置を無線LAN基地局に搭載し、位置検出したい対象物とその周辺の複数の無線LAN基地局との間で音波を往復させ、その伝達時間から対象物の位置の特定が可能で送受信のタイミング・計測結果は無線LANで通信することができる。

また、すでに構内無線LANが設置されている場合、無線LAN基地局に位置検出装置を追加するだけで低コストでシステム構築を実現するほか、屋内や地下などGPSの電波が届かない場所で誤差1メートル以内の位置検出が可能だという。

さらに、スマートフォンに専用アプリをインストールし、内蔵のマイクとスピーカーを利用することで、駐車場での駐車位置検出ができることに加え、スマートフォンと周辺の無線LAN基地局に搭載した位置検出装置との間で送受信した音波の伝達時間からスマートフォンの位置を特定する。

これにより、ユーザーはスマートフォンだけで利用が可能で、RFID(電子タグ)などの専用機器は不要となる。同社では2017年4月の実用化に向けたアプリケーション開発を進めていく方針だ。