カスペルスキー2月10日、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)の用途を、同社のブログ「Kaspersky Daily」で解説した。
VPNという用語に正確な定義付けはないが、一般的に「非公開のプライベートネットワーク」と言う意味で使われている。VPNは、物理的な回路基板を抽象化したネットワークで、チャネルがいくつあるかは関係なく、利用者から見ればチャネルの存在を意識させられることはなく、全体的に「ネットワーク」としてとらえられている。
VPNネットワークへのアクセスは、プライベートネットワークにアクセスした人をすべてタグ付けして管理する。そうすることで、プライベートネットワークへの立ち入りを許可された人およびデータを「部外者」と区別できる。また、暗号化を施すことで、やりとりする情報が他人に読み取られないようにしているほか、非公開接続を維持するため、部外者がネットワーク内に入れないようにしている。
VPNの使用例として最も多いのは、企業の従業員などが社外で仕事をするため、VPNを介して企業ネットワークにリモート接続する場合だ。自宅のネットワークや公衆Wi-Fiを利用して接続するこの方法を「トンネル」と言われている。従業員が使うすべてのデバイスでVPNを有効にしていれば、VPN経由でのインターネットアクセスを企業は監視できる。
企業の支社が本社に接続するケースでもVPNが使用されることが多い。VPNを利用するためにケーブルをあちこちの支社まではわせる必要はなく、誰でも企業ネットワークへ簡単に接続できる。1つの組織内で特定の部署やシステムを切り離すためだけに使うケースや、サーバと端末を接続して、可用性と冗長性を高めるという目的でも使われることもある。
一般的にVPNは何年にもわたって使われ続けることが多いが、特殊な例としては、金融や医療、法律といった重要情報を扱う各種サービスにアクセスする場合に短期的な利用ケースがある。
個人用途では、自分が住む地域で規制されているWebサイト、特定の地域だけに運用が限定されているWebサイトにアクセスするという使い方もある。GlobalWebIndexのレポートによれば、SNSへのアクセスでVPNを使う人は、2014年だけでも1億6600万人だとされている。