DMM.com(DMM)は2月9日、国内外の家電製品の流通・販売を支援する新事業「DMM. make Distribution」を同日より開始すると発表した。
近年、世界規模でハードウェアスタートアップが増えており、日本でも先進的な家電製品を開発しているベンチャー企業が出てきている。しかし、そうした企業が海外展開を狙う場合、輸送や法規対応などのノウハウおよび資金が障害となっている。
こうした課題を踏まえて「DMM.make Distribution」では、上記の輸送や法規対応のほか、展示会への出展、Webサイト製作、法規対応のための設計変更など家電製品を世界で流通させるために必要なサポートを提供する。スタートアップ独自のブランドだけでなく、DMMブランドでの展開も可能で、まずは無償での相談に応じるという。すでにサンフランシスコ、ベルリン、香港など世界6カ所に営業拠点をオープンさせているほか、Cerevoが技術面でのサポートを提供するなど体制を整えている。
同事業を率いるDMMの板谷稔氏は「(ハードウェアは)アイデア1つで素晴らしい商品を作り出すことができる環境にある。ソフトウェアは言葉や文化の壁があるため世界展開を一気にしにくいが、ハードウェアは良い商品であれば世界展開がしやすい。」とコメントした。ちなみに、同氏は長年某家電メーカーの海外販売を手がけてきた人物で、2016年1月にDMMに入社したばかり。こうした人材登用を行ったことからもDMMの「DMM.make Distribution」に対する本気度が窺い知れる。
また、同事業では海外家電メーカーの国内流通支援も行うほか、DMMの独自ブランド「DMM.make Basic」を新たに設立し同ブランドのもとケーブルやコネクタなどの販売を行う。「DMM.make BASIC」ではすでに「MFi取得済みLightning USBケーブル」などをラインアップしており、品質が保証された製品を最低価格帯で提供していくとしている。
取り扱う商品に関しては、国内ではECサイト(楽天市場、AMAZON、DMM.make SHOP)に加えて、家電量販店でも流通させ、海外でもECサイト・実店舗での販売を視野に入れている。