1月21日、経済産業省は「健康経営銘柄2016」として、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践している企業25社を発表した。政府はこの取り組みを、"日本再興戦略"の一環として位置づけており、企業はいま、"健康経営"が求められている。
こうした状況の中、2012年から従業員に対して「健康プログラム」を実施してきたという日本マイクロソフトが、2月1日より第3期となるプログラムを開始した。
同社は、2011年2月1日に品川へ本社を移転してから、社員食堂「One Microsoft Café」を展開。同施設では、健康管理を意識したメニューやサービスを従業員に提供するのと同時に、社内外の交流の場としても利用されてきたという。
この「健康プログラム」は、2012年5~6月に第一期が、2013年5~6月に第二期が実施され、今回は約3年ぶりの実施となる。
これまで一体、どのようなプログラムが行われてきたのだろうか?
要リスク社員には個別にアプローチ
日本マイクロソフトでは、"すべての従業員が健康に働き続けられるように"と、「勤務超過の削減」や「健康セミナー」「ヘルスケアルーム」「カウンセリング」「メディカルルーム」「健康イベント」といった制度や取り組みが用意されている。「メディカルルーム」には、保健師が常駐しており、従業員の健康を増進するような取り組みが行われている。
「健康プログラム」実施の背景について、日本マイクロソフト 人事本部 C&Bグループ シニアマネージャーの道添未幸氏は、次のように説明した。
「年々従業員の平均年齢が上がってきており、しばらく前までは比較的新しい業界とされ、従業員も若かったのですが、今では平均年齢が40歳となりました。社員の健康をどう増進していくか、守っていくかを考えた結果、生活習慣病を積極的に予防していくことがキーとなると判断しました」
こうして、「One Microsoft Café」でヘルシーな食事を提供するのと同時に、プログラム開始前後には「One Microsoft Café」で体組成測定会を開催するなどして、従業員へアプローチを行ってきたという。また、健康診断でリスクがあると診断された従業員に対しては「メディカルルーム」から個別でアナウンスがあり、プログラム前に血液検査をしたり、プログラム中は2週間に1回体重や体脂肪を測定するなど、都度保健指導されるようになっている。
これにより、2011年度から比べて、メタボリックシンドロームの該当者や予備軍は減ってきているという。
品川オフィスにいない社員もフォロー
第3期となる今回の「健康プログラム」では、今までにない新たな取り組みとして、レコーディングダイエットと朝食の提供が紹介された。
レコーディングダイエットは、「One Microsoft Café」の食事とあわせて、朝昼夕の食事の記録を組み合わせたものとなっている。
また道添氏は、「これまでは品川オフィス以外の社員にはアプローチすることが難しかったのですが、レコーディングダイエットによって、品川オフィスで食事ができない従業員に対しても、一定のサポートができるようになっています」と説明する。
また朝食については、期間中、毎朝8時半~10時にケロッグのシリアルが無料提供されるという。
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今回の「健康プログラム」の期間は、2月1日~3月25日となっている。まだ医療費の削減効果などは明確になっていないという話だが、今後の活動や成果に注目していきたい。