IDC Japanは2月1日、クラウド管理型無線LANソリューション市場の分析と企業ネットワークの新潮流に関する調査結果を発表した。これによると、国内クラウド管理型無線LANソリューション市場は、現在は黎明期にあるものの、2019年には企業向け無線LAN機器全体の16.0%を占めるまでに成長が見込まれているという。
国内クラウド管理型無線LANソリューション市場は、2015年に7億2400万円と市場規模は小さいながらも今後、本格的な立ち上がりが期待されている。同市場は線形的に増加し、2019年には42億1700万円に達すると予測。2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は77.0%と、企業向け無線LAN機器市場全体の同期間におけるCAGRマイナス0.4%とは対照的に大きな成長が見込まれる市場となっている。
2014年に実質的に誕生した国内クラウド管理型無線LANソリューション市場は、2015年時点では企業向け無線LAN機器市場全体の2.9%を占めるにすぎないが、クラウド管理型無線LANソリューションは市場関係者から関心を集めている。
その理由の一つは、第3のプラットフォームへの変革が促す企業ネットワークの変化に対して、クラウド管理型無線LANソリューションがいち早く適合しようとしているソリューションであるからだという。また、企業における無線LAN活用が進む中で運用管理の煩雑性の増加といった無線LAN環境に内在する課題への解決策としての期待も高くなっている。
クラウド管理型無線LANソリューションは、クラウドが有するセルフサービス、オンデマンド変更、Pay-as-you go課金などの「クラウド特性」を、企業ネットワークが取り込むことができるかどうかの一つの試金石であるという。
企業ユーザーや企業向けネットワーク機器ベンダーは「第3のプラットフォームが求める企業ネットワークの迅速性や柔軟性の向上や、運用管理の効率化を進めるためには、クラウド特性を企業ネットワーク自身のDNAの中に取り込んで進化していくことが不可欠なことを強く認識すべきである」と同社のコミュニケーションズグループマネージャーの草野 賢一氏は述べている。