ソフトバンクロボティクスとソフトバンクは、1月27と28日の2日間、人型ロボット「Pepper」の法人向けモデル「Pepper for Biz」の活用事例を紹介するイベント「Pepper World 2016」を開催した。
小売・店頭での集客や商品説明、病院などでの受付、介護・医療、教育のジャンルで、Pepperによる最新のソリューションが展示された。その中で目についたサービスをいくつか紹介する。
Pepperによる集客やコミュニケーション
リクルートライフスタイルは、同社が運営する受付管理アプリ「Airウェイト」と連携させたPepperを展示した。Airウェイトは、発券機とiPadで来客者の受付管理、番号札の発券、入店までの案内が行えるアプリだが、Pepperと連携させることで、集客やコミュニケーションが期待できるという。また、長時間待たされるときは、お勧めの商品を説明したりゲームで遊んだりして、待ち時間のイライラを緩和する。(関連記事:2018年の接客業務はロボットが当たり前の時代に?)
ネスレ日本は、スマホで撮影した写真をカラープリントできるラテアートマシン「ネスカフェ フォトラテ」をPepperと連携。Pepperが写真撮影を行い、画像データをラテアートマシンに送信する。Pepperのディスプレイにタッチして、写真にスタンプでデコレーションすることも可能だ。
独自のAIを搭載して人との会話を実現
Pepper for Bizは一般向けと異なり、会話機能が搭載されていない。そこでリクルートテクノロジーズは独自AIを開発し、自由な会話を実現している。また、Pepperの前を通過した人数、性別、年齢など、顧客データの集計なども行っているという。
現在は住宅用のデータベースを開発しているが、業態に応じたデータベースを追加すれば、幅広いジャンルの会話が可能だという。会場は雑音が多いため会話できなかったものの、通常の売り場ではスムースに会話できるとのことだ。
測定機器のデータを元にPepperがアドバイス
イサナドットネットの「ウェルネス for Pepper」は、体組成計、ウェアラブル機器、スマートフォンなどが取得したデータがクラウドを介してPepperと連携。Pepperがその情報をもとに、健康に関するアドバイスをしてくれる。
また、病院で事前の問診をやってくれるPepperも展示されていた。身体に関するさまざまな質問に対して、選択肢にタッチすることで回答が可能だ。選択肢が多すぎる場合は自由に入力できる方が望ましいが、ディスプレイにタッチする文字入力は操作が難しいこと、かといって音声ではプライバシーの問題があるのが課題だという。入力したデータは、リアルタイムに外部の管理画面に飛んでいき、医師はそこで確認できる。
楽しんでもらいながらマーケティングデータを取得
勉強や将来のことなどを無料で相談できる「エリアベネッセ」に導入されているPepperも展示されていた。Pepperのディスプレイで年齢を入力すると、その年齢に応じたアプリが起動し、ゲームなどで楽しめる。年齢が低い場合は、Pepperが子どもの身長に合わせて腰をかがめ、目線を合わせる調整機能があるという。
「勉強タイプ診断」は、各種質問に答えることで、どんな勉強プランがいいかレコメンデーションしてくれるアプリだが、マーケティング的な質問もはさみ込まれており、ビジネスに活かせるデータも取得できるという。
また、音声認識を使って英会話の練習ができるPepperも展示。Pepperの英語はネイティブに近く、かなり上級者向けの印象だったが、難易度によって速度を変えることができるほか、カタカナ英語でもある程度は認識してくれる。
「Pepperだらけの携帯ショップ」のデモも展示
3月28日から4月3日の期間限定で表参道にオープンする「Pepperだらけの携帯ショップ」を体験できるコーナーも用意されていた。ディスプレイに表示される質問に回答していくことで、携帯電話の契約手続きも行えるようになっていた。