Kiiは1月29日、絶滅危機にあるジュゴンの種の保存に同社のIoTクラウドプラットフォームが活用されたことを発表した。
ジュゴンは東アフリカから西太平洋に渡る海に棲息する海洋哺乳類で、現在、国際自然保護連合(the World Conservation Union, IUCN)によって「危急種」に分類されている。
Kiiは今回、地域のジュコンの生息数を監視し把握するために、フィリピンで地元の漁師と取り組む「市民科学」プロジェクトを実行しているSmart Earth Network(SEN)とCommunity Centered Conservation(C3)と連携し、スマートフォンをもった漁師が、位置情報付きのジュゴンの画像をAndroidアプリ経由でアップロードできるクラウドプラットフォームを提供した。
すでにフィリピンのブスアンガ地域での試みの一部として、およそ30人ほどの漁師が地域の携帯電話事業者であるCherry Mobileから支給された基本的な機能を持つスマートフォンを所有。見つけたジュゴンを写真に収め、陸に戻った際に、SENが開発したアプリを用いて、Kii Cloudに設置されたデータベースにアップロードする。漁師たちは読み書きができない人も多いため、スマートフォンの使い方の訓練を受けており、充電設備も供給されている。
画像にはGPSによりジュゴンの位置が記録されており、C3はその情報を地図に落とすことで、その区域での生息数や、目撃のタイミング、移動のパターンなどについてより明確に知ることができる。また将来の保護区域として推薦する地域を決定することも可能となる。今後はデータをほかの世界中の自然保護活動家や、地元の開発会議とも共有する予定だという。