キーサイト・テクノロジー(キーサイト)は1月28日、近日リリース予定のAdvanced Design System(ADS) 2016でADSチャネルシミュレータ用の4値パルス振幅変調 (PAM-4)機能に対応すると発表した。同機能を使用することで、ADSチャネルシミュレータでPAM-4 IBIS-AMIモデルを使用できるようになり、システム設計者がNRZ(non-return-to-zero)とPAM-4テクノロジー間のデザインの各種トレードオフを簡単に検討することができるようになる。
PAM-4は、バックプレーンのような高速SerDesリンクに用いられ、1レーン当たり56Gbpsのデータレートを実現するための有力な技術とされている。従来のEDAソフトウェアシミュレーションでは、2レベルシグナリングのみ扱われていたが、PAM-4では、信号に与える各種信号劣化(ジッタ、ノイズ、チャネル損失、符号間干渉)の影響は、従来のものとは異なっており、アイパターン評価する場合でも、シンボルエラーレートを最小化するために導入された新しいレシーバ動作(3つのスライサーしきい値、個々のスライサーのタイミングスキュー、イコライゼーション、クロック/データリカバリー)によってさらに複雑化する。これらがPAM-4リンクのデザイントレードオフにどのような影響を与えるかを正確に把握するには、SerDesベンダーからのPAM-4 IBIS-AMIモデルを扱う機能を備えたチャネルシミュレータが必要となる。
これに対し、PAM-4機能を備えたADS チャネルシミュレータには、多くの新しい測定機能が内蔵されており、スライサーしきい値レベルとその経時変化、各スライサーのタイミングスキュー、マルチタップ・デシジョン・フィードバック・イコライゼーションなどの影響を評価することが可能となる。また、各PAM-4アイ等高線を得ることも可能だ。
キーサイトは「SerDesリーディングベンダーおよびIBIS オープンフォーラムと連携して、PAM-4に対する当社のチャネルシミュレーション方法を定義/検証し、PAM-4用の高精度なソリューションを開発できました。当社のPAM-4 IBIS-AMIソフトウェアソリューションは、測定の専門知識とリーダーシップの賜物です。 キーサイトにはこうした測定の専門知識が蓄積されているため、シミュレーションから実ハードウェアの測定・評価まで、あらゆる工程で設計者をサポートすることができます。」とコメントしている。