レノボ・ジャパンは1月26日、2015年に発表したLenovoとNutanixとの協業を受け、Nutanixの分散システム「Acropolis」、一元管理ツール「Prism」の各ソフトウェアとLenovoのサーバ「System X」を搭載したハイパーコンバージドアプライアンス「Lenovo Converged HX Series」として「Lenovo Converged HX3500」「Lenovo Converged HX5500」「Lenovo Converged HX7500」の発売を開始した。
冒頭にレノボ・ジャパン 執行役員専務の安田稔氏が同社のエンタープライズ戦略について説明し「2016年のビジネスエリアは今後のストレージもSDSの領域が増加していくことが予想されているほか、次世代インフラ市場は2014~2020年までの年平均成長率が64%と予測されている。そのため、われわれの法人向け事業のプライオリティはSoftware-Defined技術に対応したハイパーコンバージードをはじめとしたハードウェアのポートフォリオの拡大を図る『次世代ソリューションの提案』、多様な法人市場向けクライアントデバイスや日本のユーザー向けワークスタイル変革、コミュニケーション変革の提案を行う『働き方を変える多様なデバイスの提案』、日本市場への産業別、業態別にPC・サーバの共同提案を強化する『国内パートナーとのシナジー』となる」と述べた。
続いて、レノボ・ジャパン ソリューションスペシャリスト部部長システムエンジニア本部の早川哲郎氏が新機種の説明を行った。ハイパーコンバージドアプライアンスの必要性について「2000年代前半に仮想化システムはVMwareを中心に進んでいたものの、課題としてスタックが増えればユーザーの負荷もかかるということがあった。そして、2010年代前半に統合管理を行うコンバージドアプライアンスの製品が市場に出回ったが、高価格のためハイエンドユーザークラスのみでの使用だった。ハイパーコンバージドアプライアンスはサーバとストレージの機能を一体化したことで、価格、コストともに低減することが可能だ。そのため、スケーラビリティが高く、ストレージの設計の必要がないためストレージのスキルがなくても使用でき、スペースの削減、管理の負荷低減も実現する。また、増設・減設の際にサービスの停止が不要であり、導入・設置も容易だ」と同氏は強調した。
また同氏は提携の意義について「Nutanixはハイパーコンバージド市場での認知度が高く、米国市場では政府系、製造業、医療関連などにおける導入実績があることを評価している。われわれはハードウェア、サービス網が評価されており、両社の優れた部分を組み合わせれば良い製品ができるのでないかと考えたため提携した」と語った。
3機種は仮想サーバ、仮想デスクトップ、ビッグデータ、データベースなど幅広い用途に使用でき、効率性、迅速性、拡張性を重視しながらインフラ構成を簡素化。配備や管理の費用を削減しながら高い信頼性のサーバプラットフォームの構築を実現し、投資効果(投資収益率:ROI)を高めることが可能だ。
レノボ・ジャパンではHX3500を主力製品に位置づけており、プラットフォームは2Uサイズ、8×2.5インチドライブベイ、プロセッサはインテル Xeon E5 v3 familyを2基、メモリ(DDR4)は128GB~768GBとなり、デスクトップ仮想化(VDI)、メール、ファイル&プリントサーバ、ウェブサーバ、ミドルウェア、軽量データベース、リモートオフィス環境/支店機能など一般的な仮想化ワークロードに適している。
また、HX5500のプラットフォームは2Uサイズ、8×3.5インチドライブ、プロセッサはインテル Xeon E5 v3 familyを2基、メモリ(DDR4)は128GB~768GBで、Hadoopビッグデータ、ファイルサーバ、クラスター環境のバックアップ、Splunk、リモートオフィス環境/支店機能の障害対策の一元化など、比較的大きな容量を要するサーバ仮想化ワークロードに適する。
さらに、HX7500のプラットフォームは2Uサイズ、8×2.5インチドライブ、プロセッサはインテル Xeon E5 v3 familyを2基、メモリ(DDR4)は128GB~768GBとなり、MS SQL Server、MS Exchange、SharePoint、Oracle RACなどデータベース、大量データの入出力を伴うワークロードに適している。価格は3機種ともにオープン、2月4日の出荷開始を予定しており、中小規模企業への拡販を図る考えだ。