OKIとNTT西日本は1月26日、共同で百五銀行にSIP(Session Initiation Protocol)-PBX「DISCOVERY neo」をベースとする大規模内線ネットワーク・システムを納入したと発表した。
百五銀行は、2つの新本館ビル(いずれも三重県津市)の計1300台の内線端末を集中管理し、支店・出張所132カ所をVoIPで接続する大規模な内線ネットワークを整え、行内全体のシームレスなコミュニケーション環境を実現したという。
同行は中期経営計画「進化への羅針盤2015」で生産性の向上やCS(顧客満足度)の向上をテーマに掲げ、行内全体のシームレスなコミュニケーション環境の構築を検討してきた。同時に、大規模な災害発生を想定したBCP(業務継続計画)体制の整備・構築と、利用客と行員のより一層の安心・安全を確保するため、免震構造を取り入れた2つの新本館ビルの建設を進め、岩田本店棟が2015年9月24日に、丸之内本部棟が1月12日にそれぞれ稼働を開始した。
OKIは新本館ビルの稼働に合わせ、シームレスなコミュニケーション環境、BCP対策、最適な導入コスト、先進技術の導入の4点を、DISCOVERY neoを用いた新しい音声システムのコンセプトとして提案し、採用を決定。
岩田本店棟にDISCOVERY neoを設置し、丸之内本部棟の内線端末を管理する構成を採用。これにより、両棟に配置した計1300台の内線端末(IP電話機が約700台、デジタルコードレス電話機が約600台)を集中管理し、内線番号に拠点番号を付けずに発信することが可能となった。
また、三重県を中心とする132カ所の支店・出張所では、NTTが西日本がすでに配備していたVoIPゲートウェイ「IVGシリーズ」と「DISCOVERY neo」を接続することで、同PBXを中心とした行内全体を結ぶ大規模な内線ネットワークを実現した。
BCP対策としては、丸之内本部棟に「サバイバルBOX」を設置することで、災害などにより岩田本店棟のDISCOVERY neoと接続できなくなった場合も丸之内本部棟内は独立して内線/外線を用いた業務の継続が可能となっている。同PBX本体の回線ユニットや制御部には冗長構成を採用し、システムの信頼性も高めている。
岩田本店棟のDISCOVERY neoで内線端末を集中管理する形態を採ることで、丸之内本部棟に設置する主装置が不要となり、導入コストおよび保守・運用コストが低減されたほか、追加でVoIPゲートウェイを用意しなくても、IVGシリーズによる既存の支店・出張所の内線ネットワークとDISCOVERY neoを直接接続できるため、導入コストが低減しているという。