島津製作所は1月26日、同社のフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)用に、熱によって劣化したプラスチックの定性を行うのに特化したデータを収録した「加熱劣化プラスチックライブラリ」を発売すると発表した。価格は15万円(税別)。
同製品は静岡県工業技術研究所の浜松工業技術支援センターで測定・取得したスペクトルをライブラリ化したもので、13種のプラスチックについて、未加熱もしくは加熱温度200度~400度まで平均6条件で測定した111データを収録している。従来のライブラリで加熱履歴を持つ物質を定性する場合、加熱された実サンプルのデータとライブラリに登録された未劣化の物質のデータをユーザー自身が見比べて判断する必要があったが、今回のライブラリの導入によって、加熱履歴を持つプラスチックスペクトルと実サンプルのスペクトルをそのまま照合可能となるため、定性作業やスペクトル比較を効率化することができる。
また、異物やポリマー、食品添加物などを含む計約12,000点の標準物質のライブラリと、異物解析専用のプログラムが実装されている同社のFTIR制御用ソフトウェア「LabSolutions IR」に「加熱劣化プラスチックライブラリ」を始めとするさまざまなライブラリを用途に応じて追加していくことで、未知試料の定性に優れたシステムを構築することが可能となる。