IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は1月26日、サイバー攻撃に対する情報共有の枠組み「サイバー情報共有イニシアティブ」(J-CSIP)において、12月1日に新設した自動車業界SIG正式に運用開始したと発表した。
IPAは2011年10月にJ-CSIPを発足、2012年4月の運用開始から2015年度第3四半期までの活動で、2172件の情報提供を参加組織から受け、その分析などの結果、629件の標的型攻撃メールなどの情報共有を実施してきた。
今回、自動車業界SIGの正式運用が開始したことで、J-CSIPは7つの業界(SIG)、72の参加組織(計11組織追加)による体制となった。
同日、2015年度 第3四半期(10月~12月)のJ-CSIPの運用状況も公表された。
2015年10月~12月に、参加組織からIPAに対し標的型攻撃メールと思われる不審なメールなどの情報提供が行われた件数は723件、それらの情報をもとにIPAからJ-CSIP参加組織へ情報共有を実施した件数は34件だった。提供された情報のうち、標的型攻撃メールと見なしたものは19件だった。
IPAによると、攻撃メールを検知されにくくする細工(添付圧縮ファイルの暗号化)の多用、新たな脆弱性の悪用、新種の遠隔操作ウイルスなど、攻撃手口を変化させながら、依然として国内組織への執拗な標的型サイバー攻撃が継続しているという。