IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は1月25日、2015年第4四半期(10月~12月)のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出および相談の状況を発表した。
同四半期のウイルス届出件数は564件(前四半期比約17.7%減)で、ウイルス検出数は2080個(前四半期比約44.8%減)、不正プログラム検出数は12万0019個(前四半期比約105.5%増)だった。
最も多く検出された不正プログラムは、別のウイルスを感染させようとする不正プログラムの総称である「Downloader(ダウンローダー)」で、検出数は5万7932個(前四半期比約180.5%増)で全体の約48.3%(前期 約35.4%)を占めた。2015年を通じ、Downloader の割合は第1四半期(約18.1%)、第2四半期(約22.1%)、第3四半期(約35.4%)と右肩上がりの増加を示しているという。
最も多く検出されたウイルスはW32/Virutで、前四半期の4個に比べ616個と大きく増加した。W32/Mydoomは前四半期の2069個に比べ483個と大きく減少し、W32/Netskyは2014年第4四半期以降、減少傾向が続いているという。
同四半期に届出されたウイルスの種類は41種類で、検出数はWindows/DOSウイルスが1996個、スクリプトウイルス/マクロウイルスが73個、携帯端末ウイルスが11個、OSS(Open Source Software)/Linux/BSDを含むウイルスはなかった。
同四半期の不正アクセス届出件数は28件だった。被害があった届出は24件で、それらのうち原因が判明しているものは「ID・パスワード管理不備」が9件、「古いバージョン使用・パッチ未導入」が3件、「設定不備」が1件などで、計20件だった。「ID・パスワード管理不備」の全体に占める割合は前四半期と比べて20%から37.5%に増加したという。
同四半期のウイルス・不正アクセス関連の相談件数は3970件(前四半期比約8.2%増)だった。相談員による対応件数は1892件で、最も多かった相談内容は「ワンクリック請求」(679件、前四半期比 約17.7%減)だった。
増加が顕著だった相談内容として、「ウイルス検出の偽警告」(ウイルスを検出したという偽の警告画面や音声で不安をあおり、指定の番号に電話をかけさせてサポート契約やソフトウェア購入を促す手口)があげられている。相談数は57件(前四半期比 50%増)で、初めて問い合わせがあった2015年5月以降の増加が顕著だという。