神奈川県は1月25日、生活支援ロボットの実証実験を行うと発表した。
同県では「さがみロボット産業特区」を設けており、生活支援ロボットの実用化・普及を通じた「地域の安全・安心の実現」を目指している。2015年5月に「ロボット実証実験支援事業」の公募を実施し、3件の実証実験を1月26日~31日、2月1日~10日、2月16日に行う。なお11日には、先行して2件の実証実験も発表されている。
実証実験1
1つ目の実証実験は「バイタル感知センサー」で、ミオ・コーポレーションによるもの。マイクロ波を照射して、被介護者の体表の動き(運動量)をセンシングし、脈拍・呼吸に選別して計測する。脈拍・呼吸の異常や離床を検知した場合に、介護者へ通知する機能も用意する。体表の動きから脈拍・呼吸を抽出するには、対象者ごとに最適なパラメーターを調整し、計算処理を行う必要があるため、実証実験で複数の高齢者のデータを収集し、それぞれのパラメータを洗い出して共通点などを検証するという。合わせて、体表の動きと行動記録表の記載を比較し、計測の正確性を確認する。
実証実験2
2件目の実証実験は、「屋内移動支援ロボット」で安川電機によるものとなる。ロボットは、屋内での移動、特にトイレで必要となる動作をサポートする。立ち座りアシスト機能や自動ブレーキ機能、コンパクト旋回機能、操縦機能などを搭載する。
この機能を活用することで、各動作の筋力負担や姿勢負担などが、どの程度軽減されたと感じるかについてヒアリングを行い、さらなる開発に応用するとしている。
実証実験3
3件目の実証実験は、排泄の自立支援を行う水洗トイレロボットで、積水ホームテクノによるものとなる。このロボットは居室内に設置・使用するもので、移乗・姿勢保持を補助する可変式アームレストや、移動キャスタを備える。リモコン操作でポンプ駆動と電磁弁の開閉を行って、汚水・臭気を真空で排出するほか、「大」「小」ボタンの操作記録も行う。
実験では、プロダクトデザイナーや理学療法士などが、従来のものと比較して、移乗などの要素動作を試し、使いやすさなどについてヒアリングを行うという。