日立システムズとNTTデータグローバルソリューションズ、JSOL、東洋ビジネスエンジニアリング、フィラーシステムズの5社は1月22日、AWS(Amazon Web Service)の環境において、製薬・医療機器業界特有のシステム利用のためのCSV(コンピュータ化システムバリデーション)に適用するためのリファレンス文書(利用手引き)を共同で作成し、2月26日からユーザーに無償で提供を開始すると発表した。
CSVはコンピュータ化システムの信頼性を検証・確認し、その結果を文書化して保証すること。製薬・医療機器業界における製品品質に関わるシステム開発では人体の健康や生命を左右する可能性がある。そのために厚生労働省より「医薬品・医薬部外品製造販売業等における『コンピュータ化システム適正管理ガイドライン』」が発出され、方法・手順が示されている。
これまで、CSVは要件や監査事項が複雑でAWS環境の活用方法も含めて整理する必要があったという。5社はAWS環境においてCSVに適用するための要件の考え方やCSVに関連した情報を網羅した文書を提供することにより、AWSの活用を促進するとともに、AWSを活用した製薬・医療機器企業向けITソリューションの拡販を図る。
昨今の製薬・医療機器業界においては、ビッグデータを活用した新たなビジネスチャンスの創出、PIC/Sなど国際基準への対応や各国独自の規制への対応、コストのさらなる最適化など、ビジネス環境の変化への柔軟かつ迅速な対応が求められている。AWSはセキュアで柔軟性があり、低コストで高品質なクラウド環境をグローバルに迅速に展開可能であることから、5社はAWSのクラウド環境を活用したソリューションの展開を開始する。
5社はCSV適用時に役立つ「AWS CSV適用リファレンス」および「AWS サプライヤーチェックリストリファレンス」をユーザーに提供する。
AWS CSV適用リファレンスは厚生労働省の「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」に従って、コンピュータ化システム管理規定に基づき、システムの検証を必要とするユーザー向けにAWS環境における要件の整理の考え方や回答を網羅している。同リファレンスはAWSの担当範囲、システムインテグレーターの担当範囲、ユーザーの担当範囲を明確化し、CSV適用にあたっての考慮点のポイントを解説する。
一方、AWS サプライヤーチェックリストリファレンスは、AWS環境におけるサプライヤーチェックリストの考慮点と要点を整理し、AWSの担当範囲、システムインテグレーターの担当範囲、ユーザーの担当範囲を明確化し、CSV適用にあたっての考慮点のポイントを解説する。