新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と日立造船は1月21日、木本植物である杜仲(トチュウ)由来の非可食性バイオマスを利用した高機能複合材料の開発に成功したと発表した。
同複合材料は、杜仲由来のバイオトランスポリイソプレンを、汎用性バイオポリマー(ポリ乳酸)に10~30%複合した動的架橋により、脆性が弱点であった従来の市販ポリ乳酸に比べ、耐衝撃性が約16~25倍と改質されている。また、引張特性のひとつである伸びについても約9~30倍と機能改質。
今回の動的架橋法には、「リアクティブプロセッシング技術」という混練装置内に架橋剤を少量添加しポリ乳酸へのバイオトランスポリイソプレンの分散性を改善させ微分散化させる手法を採用した。この手法での動的架橋技術は、実生産に向けたスケールアップを比較的容易に達成することが可能だという。
同複合材料は、3Dプリンター用樹脂、成形加工を必要とする自動車や輸送機器の内装、生体材料分野への活用が期待される。成果は、1月27日~29日に東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2016 第15回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」において展示される予定。