記者の質問に答えるBuzzFeed幹部。右からBuzzFeed Japan代表取締役 高田徹氏、BuzzFeed全体の編集長Ben Smith(ベン・スミス)氏、BuzzFeed Japan編集長 古田大輔氏 |
米BuzzFeedとヤフーは昨年の8月18日、合弁事業会社「BuzzFeed Japan」を設立し、日本向けBuzzFeedを創刊することを発表したが、1月19日には日本向けメデイア「BuzzFeed Japan」を公開。1月20日には記者発表が行われ、新メディアの編集方針などについて説明が行われた。
「BuzzFeed Japan」がジョイントベンチャーとしてなぜ生まれたかについて、BuzzFeed Japan代表取締役 高田徹氏は時代の変化を挙げ、「ヤフー ジャパンも20周年を迎えたが、その中にはポータル時代や検索の時代があった。今はソーシャルの時代で、メディアの形もその時代に合った形をとるべきだ。現在のクロスプラットフォーム時代においてどのようなメディアが相応しいかを考えている中で、BuzzFeedに出会った」と述べた。
そして、BuzzFeedの特徴については、「1つのプラットフォームに依存しないメディアで、データとテクノロジーに依存しており、コンテンツについては、編集部が愚直にきっちりとやっていくという3つだ」と説明した。
同氏はBuzzFeed Japan収益モデルについては、「広告、マーケティングを支援することをやっていくが、従来型のバナー広告だけではメッセージは届かない。クライアントには、クロスプラットフォーム時代にあった新たなマーケティング手法をきちんと紹介したい」と説明した。
BuzzFeed全体の編集長を務めるBen Smith(ベン・スミス)から、BuzzFeedの特徴について説明。
「ソーシャルでは、かわいい動物の写真やジョークのほか、最近ではシリアスなニュースやトピックなど、重要な情報もシェアされるようになってきた。BuzzFeedの提供は日本が11カ国目になるが、どの国でもばかげたものもシリアスなものもニュースになっており、両者は同じチャネルで両立できると思っている。日本は独特のインターネット文化が発展しており、確立したジャーナリズムの文化もある。この2つを活かす形で、日本のスタッフで展開できることをうれしく思っている」と述べた。
BuzzFeed Japanの初代編集長に就任した古田大輔氏は、朝日新聞社で社会部記者を経て、東南アジア特派員やシンガポール支局長も務め、2013年の帰国後は、朝日新聞デジタルの編集者になっている。
同氏はBuzzFeedの魅力として「幅広いコンテンツ制作力」、「最先端のテクノロジーと戦略」「クローバルに共有する理念」を挙げ、今後は日本の情報を世界に発信したいと述べた。
同氏は日本の情報が世界に発信されていない理由について、「たとえ、ニュースを英訳したとしても、世界の人々が読んでいるプラットフォームに届いていなから読まれない。そのため、日本にいる海外特派員の情報ばかりが発信されてしまう。BuzzFeedであれば、BuzzFeed Japanの記事を英訳し、グローバルのBuzzFeedのプラットフォームに配信できる。そこに大きな魅力を感じている」と語った。
同氏は競合メディアについて、「人々がスマートフォン上で使うゲームやコミュニケーションツールなどサービスすべてが競合だ。メディア全体がゲームやコミュニケーションツールに負けては意味がない」と述べ、メディア自体の目標については、「PV自体は目標ではなく、どれだけ人々に影響をあたえられるかだ。楽しい、信頼され、シェアされるメディアを目指したい」と語った。