MM総研は1月18日、個人事業主(2万2125事業者)を対象に調査した、クラウド会計ソフトの利用状況について公表した。
同調査は同社が、平成27年分の確定申告を予定している個人事業主を対象として2015年12月11日~13日にWebアンケートにより実施したもの。
調査の結果、個人事業主の会計ソフト利用率は33.2%であり、そのうちクラウド会計ソフトの利用率は8.1%だった。
会計ソフトを利用している個人事業主は33.2%だったが、利用していない個人事業主は54.4%と大きく上回った。会計ソフトを利用していない個人事業主は、手書きやExcelなどの表計算ソフトの利用、税理士・会計事務所への委託などで申告しているという。
会計ソフトを利用している個人事業主7346事業者に利用している会計ソフトを尋ねたところ、PCにインストールして利用する従来型の会計ソフトが80.3%を占め、クラウド会計ソフトの利用は8.1%にとどまっている。
クラウド会計ソフトの利用者に実際に利用しているソフトを尋ねると、事業者別では弥生が50.5%と最も多く、以下freee(24.9%)、マネーフォワード(9.8%)、全国商工会連合会(7.7%)と続く。
弥生は、2014年1月から「やよいの白色申告 オンライン」を、2014年10月から「やよいの青色申告 オンライン」を提供している。同社はクラウド会計ソフトの提供としては後発だが、PCインストール型の会計ソフトの提供で長い実績があり、個人事業主における知名度の高さがクラウド会計ソフトにおける利用者の拡大にもつながっているとMM総研は推察している。
2位のfreeeは2013年3月から他社に先駆け「freee」の提供を開始してクラウド会計ソフトの市場立ち上げに貢献し、新興企業ながらも会計ソフト市場での認知度を高めているという。
クラウド会計ソフトを認知しながらも現在利用していない個人事業主1万1231事業者に対して今後の利用意向を確認すると、「今後利用したい」(7.8%)と「どちらかといえば今後利用したい」(29.7%)を合わせ、37.5%が利用を希望している。
利用を希望する個人事業主を事業継続年数別に見たところ、2年未満での利用希望度が54.8%で最も高く、2年以上5年未満は43.9%、5年以上20年未満は36.2%、20年以上は32.7%と、事業継続年数が若いほど利用意向が高い。起業や独立、事業の拡大を目指す、比較的事業継続年数の若い個人事業主ほど、クラウド化への抵抗感が少なく既存の会計ソフトをスイッチする負担も少ないことが、導入意向の高さにつながっているものと同社は見ている。