NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月18日、大阪市内で5番目のデータセンター「大阪第5データセンター」を開設した。第5データセンターは大阪市内に位置し、サーバルーム面積は約3,500m2の規模で収容ラック数は1,600ラック相当となる。
第5データセンターは地上11階建てのデーセンター専用ビルで、Nexcenterブランドのサービスを提供。大阪市内で想定される主な自然災害リスクには、南海トラフ地震による震災や津波、洪水、高潮などが想定されているが、これらのリスクを最小化するための対策を講じた。
電力・通信設備、サーバルーム、そのほかの重要設備は建物2階以上(地面より7m以上)に設置しているため、万が一建物の1階部分に浸水しても支障なく継続運用ができる。地震による建物やユーザー機器への衝撃を抑える免震装置は建物2階の床下に設置されており、浸水による性能劣化がないとしている。
また、直下型地震により生じる上下振動を抑える制振装置も備え、電力は異なる変電所から異ルートで供給されるため信頼性を確保しているほか、通信用耐震トンネル「とう道」に直結することで、建物に引き込まれる通信ケーブルが地震などにより損傷する心配がないという。
建物内には、バックアップ電源を備えたレンタルオフィスも有し、ユーザーはBCP(事業継続計画)ソリューションを容易に実現できる。加えて、西日本エリアのネットワークの中心地でIX(Internet Exchange)を収容する既存データセンターと第5データセンターは、光ファイバーで直結されているため低遅延かつ高い品質のネットワーク接続の利用が可能だ。
これにより、高速・大容量のインターネットバックボーンや企業向けネットワーク回線である「Arcstar Universal One」などのネットワークサービスの利用だけでなく、世界中の同社のデータセンターやクラウドサービスを組み合わせたシームレスなICT環境を構築できる。
さらに、国内では他社に先駆けて採用した壁面吹き出し空調方式による冷却効率の向上、建物外気温を冷却に利用した間接外気冷房システムによる空調機の消費電力削減などにより、大阪市内で同社が提供中のデータセンターと比較し、低コストで利用できるという。
同社によると、大規模な自然災害に対するバックアップサイトを首都圏から離れた西日本エリアで利用したいユーザーのニーズが高まっているとう。本社機能を同エリアに持つ、金融機関や製造業の増加による需要拡大も見込まれているため、第5データセンターを建設した。
なお、2016年3月には、大阪市内のデータセンター間をあたかも同一のデータセンターであるかのような環境で利用できるセキュアかつ、低遅延なデータセンター間の接続サービス(最大10Gbpsのベストエフォート回線、または光ケーブル)の提供開始を予定している。