シマンテックはこのほど、Waledac(W32.Waledac)の活動に関する最新の分析で、株価を操作する「パンプアンドダンプ」スパムの活動を確認したとセキュリティブログで解説した。
同社は、2015年10月22日~11月18日までの間に、Waledacボットネットの1つが3万5361通のスパムメール送信していることを確認したという。メールの大半は、パンプアンドダンプ詐欺に関するものであった。
パンプアンドダンプ詐欺は、特定の株銘柄について虚偽情報を流布などすることで、意図的に株価高騰を狙う行為。詐欺師は、操作する株式(通例は、ペニー株と呼ばれる安値株)を事前に安く買い入れておき、詐欺によって株価が高騰した後、高値で売って相当の利益を得ようとする。
今回標的になったのは、Indie Growers Association(銘柄記号:UPOT)で、短期間で株価が0.08ドルから0.16ドルに高騰。UPOT株の高評価を喧伝するスパムが大量に確認されており、直接的な原因と考えらえるという。
スパムメールが終息した11月18日以降はパンプアンドダンプの典型的なパターンとして株価が急落している。正確にはわかっていないが、高騰によって詐欺師が得た利益は数万ドル単位と見られている。