米Facebook 最高製品責任者 クリス・コックス氏

Facebook Japanは1月14日、米Facebookから最高製品責任者であるクリス・コックス氏を招き、2016年の製品の展望と新商品発表を行った。

クリス・コックス氏は、Facebookの製品、デザインおよびマーケティングをグローバルで統括する最高製品責任者。同氏は、2005年にソフトウェアのエンジニアとしてFacebookに入社し、ニュースフィードを含む初期のFacebookの重要な機能を築き上げてきたという。

同氏は冒頭、「Facebook、インスタグラム、メッセンジャーのどの製品においてもモバイル時代だ。日本は未来を考えるにあたって最適な市場で、日本文化に触れることで、物事をどのように見ていけばいいのかや注意深さを見つけられた気がする。Facebookは10年前から、毎年バリアを壊して、大学生以外の高校生や一般の人に提供したり、英語以外のさまざまな言語に対応するなど、これまでFacebookを使ってこなかったグループにもアプローチしてきた」と述べた上で、次の10億人のユーザーを獲得する上でのポイントとして、モバイルへのシフト、デバイスの進化、ネットワークの進化の3つを挙げた。

なお、同社ではデバイスについて、新たに追加したコードが昔の仕様のデバイスで不具合が起こるかもしれないため、デバイスごとの違いをテストをし、古いデバイスに接続したらどうなるかという研究をしているという。

モバイルデバイスのテスト

また、同社の役割について、「ユーザーはFacebookに1日平均15回訪れているが、我々はその時間を有益なものにする責任を感じている。また、友達だけでなく、共通の関心やニーズがある人たちをつなげる役割がある。ネットで検索するよりもFacebookでをつながるほうが、互いにサポートしあうことができ、人を幸せにできる、Facebookのグループ機能で新しい未来を築いていけると思っている」と語った。

この日発表された新機能は、「インスタント記事(Instant Articles)(以降インスタント記事)」の日本導入と、新たな「いいね!」ボタンの追加。

インスタント記事は2015年5月に9社の海外媒体社パートナーと米国で提供開始し、2015年12月には韓国、インド、台湾などアジアの50以上の媒体社との提携を発表した。今回は、国内メディアの朝日新聞社、産経デジタル、東洋経済新報社、日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞東京本社と新たに提携し、テスト導入を本格的に開始する。なお、正式リリースについて、Facebook Japan 代表取締役 長谷川晋氏は、今後準備が出来次第発表するとした。

提携した各媒体社の代表(中央の5人)

Instant Articlesについてクリス・コックス氏は、「3年前TED Talksを見たが、そのとき、指を介してスクリーンではじめて触れる子供のような体験が提供できたらいいと考えた。そうして作ったのがInstant Articlesだ。これは、媒体社向けのものだが、一般ユーザーも体験できる。これを使って、自分の体験をコラージュしてほしい」と述べ、GoogleのAMPとの違いについては、「スピードだ」とした。

「いいね!」ボタンの拡張では、新機能「リアクション」が追加された。これは絵文字に近いもので、いいね!ボタンを長押ししてスライドさせると選択できる。

新機能「リアクション」

追加された「リアクション」ボタン

Facebook Japan 代表取締役 長谷川晋氏

この機能は日本が6番目の導入となり、クリス・コックス氏は「これにより、いいね!以上により幅広い感情を表現できる。これは日本から学んだ機能で、日本の文化にしっくりくるものだ。今後は、日本の人がこの機能をどう使っていくか観察し、製品に反映させていきたい」と述べた。

また長谷川氏も「日本ならでは使い方、ニーズにより、それが反映され機能として出てくるとうれしい」と語った。