大日本印刷(DNP)は1月13日、樹脂ガラスに転写することで、耐候性、耐摩耗性を向上させる「DNP超耐候ハードコート転写フィルム」を開発したと発表した。また同フィルムを転写した樹脂ガラスの販売を2016年2月に開始する予定。

樹脂ガラスは耐衝撃性や断熱性に優れるほか、重量が一般のガラスの約半分と軽いため、電車の車両や建設機械、自動車の窓ガラスなどに使用したいというニーズが高まっている。しかし、ポリカーボネート製の樹脂ガラスは、加工性に優れる反面、太陽光や風雨などに対する耐候性や、硬さ、傷つきにくさなどがガラスよりも劣るという課題があった。

同社は、住宅用建装材の製造で培った独自のコーティング技術であるEB技術を活用し、同フィルムを開発。同技術により高硬度のハードコート層を形成することで、汎用品のポリカーボネート樹脂と比較して、表面の耐摩耗性が向上し、紫外線による変色や劣化が抑えられるという。

キセノンアークランプによる耐候性試験の結果比較 (左)DNP品 (右)汎用品

スチールウールによる耐摩耗性試験の結果比較 (上)汎用品 (下)DNP品

今後、同社は同樹脂ガラスを電車の車両や建設機械、乗用車やバスなどに向けて販売し、2017年度までの累計で10億円の売上を目指すとしている。