Samsung Electronicsは1月8日、2015年通期の連結決算速報値を発表した。それによると、総売上高(半導体だけではなく、スマートフォンなどを含めた全製品の売上高の総和)は200兆3400億ウォン(約20兆円)と3%減ったものの、営業利益は26兆3700億ウォン(約2.6兆円)と前年比5%増えた。
2015年10~12月期に限れば、売上高は1%増の53兆ウォン、連結営業利益は前年同期比15%増の6兆1000億ウォンだったが、前期比では17.4%減だった。営業利益の前期比減は5四半期ぶりで、2014年第3四半期(7~9月)に同第2四半期7兆1900億ウォンから4兆1000億ウォンへと減益となって以来、前期比で増加傾向にあった営業利益が再び減少に転じた。同社関係者によると、第3四半期まで好調だった半導体分野が10-12月期に急に不振に転じた影響だと言う。
分野別の業績は月末にならないと最終集計が出ないが、 関係者の話では、AppleのiPhone向けプロセッサの大量受注やメモリビジネスの好調で半導体部門の売り上げ、利益とも年間では大きく増加したものの、10-12月期の半導体分野の営業利益は減少に転じ,これがもろに会社全体の利益減少(前期比)をもたらしたと言う。2015年第3四半期の半導体分野の営業利益は3兆6600億ウォンを計上したが、第4四半期は、多くのアナリストの予想を下回り、3兆1000億ウォン程度(未確定値)にとどまるのではないかとみられる。
スマートフォン市場の成長が鈍化し、年末から年初にかけてiPhoneはじめスマートフォンの減産が相次いでいる模様で、2015年初めには1個あたり3.5ドルだったDRAM価格は年末には2ドルを切るまで落下している。これらが、年末に向けての半導体の業績不振をもたらしているようだ。なお、Samsungの分野別業績(確定値)は現在集計中で、1月末に公表される予定である。