大日本印刷(DNP)は1月12日、自動車業界向けに車載システムのセキュリティ対策サービスを開始すると発表した。

同社が"第一弾"と位置付けるサービスは、車載システムの秘密情報の不正取得防止ソフトウェア「CrackProof(クラックプルーフ)」と、車載通信機器に組み込んで通信データを暗号化し、通信機器同士の認証と管理を専用サーバーで行う「DNP Multi-Peer VPN」を活用したものとなる。

CrackProofは子会社のDNPハイパーテックが開発したアプリケーションの不正改ざんを防止するクラッキング対策ソフトウェア。自動車がネットを介して連携するスマートフォンアプリや車載情報端末アプリが登場する一方で、制御系のアプリケーションがクラッキングされた場合、自動車の制御データや車載コンピューターの仕様などの機密情報が漏えいし、悪用されるなどのリスクがあるため、こうしたクラッキング対策をCrackProofで「強力に堅牢化」し、被害を未然に防ぐという。

一方のDNP Multi-Peer VPNは、通信データを暗号化するSDKと、クラウド環境、もしくはオンプレミスで設置するVPNマネジメントサーバーで構成されているシステムとなる。このマネジメントサーバーは、複数の通信機器を自動で認証するだけでなく、複数の機器間通信(Peer to Peer通信)を可能としており、車載システムのリモートバージョンアップデート機能の悪用を防止する。これにより、車載システム同士の通信やクラウドサービスで安全な通信環境を提供できるとしている。

DNP Multi-Peer VPNの利用イメージ

なお両製品は、1月13日~15日に東京ビッグサイトで開催される「第4回コネクティッド・カー EXPO」のDNPブースで紹介予定となっている。同社は自動車業界へのセキュリティ対策製品・サービス提供を進め、2020年度までの5年間で50億円の売り上げを目指すという。