神奈川県は1月6日、携帯電話やスマホ、パソコンにおけるインターネットの利用状況に関するアンケート結果を発表した。
調査は、2015年5月~8月に神奈川県の教育委員会が実施し、児童・生徒のネット閲覧やSNSなどの利用状況を調査したもの。児童・生徒のインターネットの利用状況を把握し、いじめや犯罪行為の未然防止、トラブルの回避、モラルの向上など、生徒指導やメディアリテラシー教育に役立てることを目的としている。
対象の学校は、神奈川県内の公立小学校、中学校、中等教育学校、高等学校(全日制・定時制)、特別支援学校(高等部)で191校、児童・生徒1万9200人から回答を得られた(小学校5951人、中学校6478人、高等学校6536人、特別支援学校325人)。
携帯電話等の所有率は、小学生60.2%、中学生79.8%、高校生96.9%と学年が上がるにつれて上昇。前回調査(2012年1月~3月)と比較すると、小学生の所有率が大幅に上昇しており、携帯電話の所有者の低年齢化が進んでいることが明らかになった。
所有する携帯電話の種類は、小学生が所有する携帯電話等の半数以上は「機能限定の携帯電話・子ども向け携帯電話」であった。スマートフォンを使っている割合は、小学校23.0%、中学校70.5%、高等学校90.9%、特別支援学校58.5%と、中学生以上のスマートフォン所持率が高い。
フィルタリングサービスは、いずれの校種においても「設定されている」が「設定されていない」を上回った。「設定されている」の割合は最も高かった中学生でも45.0%と、半数にも満たなかった。「わからない」が多いことから、フィルタリングの設定が十分に行われていない可能性が高い。
主な使用目的は、小学生では「電話」という回答が半数を超えるが、中学生以降は「SNS」が最も多い。前回調査に比べて「電子メール」が大幅に減った。このことから、児童・生徒間のコミュニケーションツールが電子メールからSNSへと変化していることがうかがえる。
携帯電話を使ったインターネットの接続時間は、小学校は「利用しない」が最も高く、中学校と高等学校は「2時間以内」の生徒の割合が最も高い。「4時間以上」の割合は、小学校5.1%、中学校13.7%、高等学校23.3%、特別支援学校12.0%であり、学年が上がるにつれて、長時間にわたってインターネットを利用する生徒が増える傾向にある。
パソコンでインターネットやメールを利用している生徒は、小学校54.2%、中学校56.5%、高等学校49.7%、特別支援学校62.0%で、前回調査と較べてすべての校種で減少している。
インターネットの目的は、いずれの校種においても「サイトを見る(動画投稿サイトを含む)」が最も多く、「SNS」は少なかった。
自分からインターネット上で個人情報を公開する生徒の割合は、小学校1.9%、中学校13.2%、高等学校30.3%、特別支援学校8.2%と学年が上がるにつれて高くなる。個人情報は掲示板、ブログ、SNSなどで公開している。
インターネット上で自分に対して暴力的な表現や悪口を書き込まれた経験について、「よくある」「わりとある」「あまりない」を合わせた、何らかの経験がある生徒は小学校5.4%、中学校18.3 %、高等学校28.0%、特別支援学校20.7%と、学年が上がるにつれて高くなった。
SNSなどでトラブルがあった時の相談先は、小学校、中学校、特別支援学校が「保護者」、高等学校が「友人」の割合が最も高かった。「保護者」と回答した児童・生徒の割合は、学年が上がるにつれて下がる傾向にある。「誰にも相談しなかった」児童・生徒の割合は、小学校12.5%、中学校27.9%、高等学校33.1%、特別支援学校13.0%となった。
携帯電話の使用についての家庭のルールは、利用する時間について「ある」という回答が小学校34.3%、中学校29.2%、高等学校10.8%、特別支援学校33.2%であった。
利用料金の限度額は、「家庭でルールがある」という回答が小学校19.9%、中学校23.0%、高等学校25.2%、特別支援学校24.5%であった。
SNSなどに他人の悪口を書き込んだりいやがらせの電子メールを送ったりすることが、犯罪になることがあることを「知っている」割合は、小学校73.0%、中学校75.1% 、 高等学校75.4%、特別支援学校66.5%となった。
また、SNSなどへの書き込みなど情報を発信する時に、個人情報の保護や他人への配慮を「いつも意識している」「だいたい意識している」と回答した児童・生徒の割合は、小学校46.0%、中学校68.7%、高等学校75.6%、特別支援学校52.1%となった。