日本IBMは1月6日、IHIとIHI物流産業システム(ILM)、IHIエスキューブ(IS3)がグループで提供している自動倉庫の保守事業において、作業履歴情報やセンサーデータからなるIoT情報などのビッグデータを活用した保守サービス支援システムの構築を支援し、本格的に稼働したことを発表した。
新システムは、故障予測や計画点検、遠隔監視などの機能を提供し、顧客企業に対する保守サービスの高度化を実現。IHIグループでは、2013年4月に高度情報マネジメント統括本部を新設し、社内外の多種多様なビッグデータを解析して各事業部に展開し、新たな事業機会の創出や製品・サービスの高度化・総合化を目指してきた。
この一環として、ILMとIS3では自動倉庫事業の高度化を推進しており、これまでILMでは自動倉庫内の設備や機材の稼働状態をリアルタイムに監視。保守サービスをより高度化していくため、収集したデータを活用したり、顧客の設備状況や保守要員の作業履歴などを分析・活用したりすることにより、顧客の設備稼働率を高めることが求められてきたという。
新システムで日本IBMは、設備や機器などのIoTから得られるビッグデータを解析して故障予測や計画点検のためのIoTソリューションおよび設備管理ソリューションを提供。
具体的には、各種センサーからの異常や稼働履歴、PCで管理していた作業員の出動履歴、報告書、保守履歴に加え、IBMの予測分析ソフトウェア「SPSS」で分析した故障予測などの分析結果、顧客別・自動倉庫機種別のカルテ情報などをIBMの設備管理ソリューション「Maximo」で一元的に管理し、可視化、分析できるようにした。
これによりILMでは、故障対応の質の向上、定期点検の効率化、遠隔監視を実現できるようになった。例えば、故障対応の質の向上では全国の顧客設備の状況やカルテ情報、保守要員の出動履歴などを16カ所のサービス・センターで把握できるようになるため、故障の兆候を検知して事前に対応を可能にしていく。
また、各部品の故障予測や部品の寿命予測をすることで、計画的な部品の在庫管理ができるようになり、緊急調達を減らし、コストも削減できるという。