IDC Japanは1月5日、2015年第3四半期(7~9月)の国内エンタープライズストレージシステムの売上額実績を発表した。これによると、2015年第3四半期(3Q)の国内エンタープライズストレージシステム売上額(Value)は631億1,900万円で前年同期比1.4%減となった。

国内外付型エンタープライズストレージシステム市場、クラス別売上額構成比、2015年第3四半期

同社ではエンタープライズストレージシステムとして外付型、サーバー内蔵型、ODM Directをカウントしている。外付型とODMはプラス成長だったが、内蔵型がマイナス成長となり、全体でも前年同期比でマイナス成長となった。

2015年第3四半期の国内エンタープライズストレージシステム売上額631億1,900万円の内訳は、外付型が466億5,800万円(構成比73.9%)、サーバー内蔵型が131億5,900万円(同20.8%)、ODM Directは33億200万円(同5.2%)。ODM Directはまだ規模は小さいが、グローバルクラウドサービスプロバイダーの国内拠点のほか、国内クラウドサービスプロバイダーでも導入が進みつつあるという。また、外付型エンタープライズストレージシステムのセグメント別売上高は、メインフレーム向けが前年同期比1.3%増の61億900万円、UNIX、Windows、Linuxなどのオープンシステムおよび、そのほかOS向けが同1.2%増の405億4,900万円となった。

メインフレーム向けは、2015年第1四半期、第2四半期で官公庁と金融で大型更新案件の影響で2期連続2桁成長となり、第3四半期も金融などで大型案件が散見された。オープンシステム/そのほかOS向けは、サーバー仮想化やVDI(Virtual Desktop Infrastructure )などの仮想化環境向けやクラウドインフラ向けで需要拡大が続いている。また、オープンシステム/そのほかOS向けでは、新興ベンダーだけでなく、大手ベンダーが相次いで参入したことでフラッシュデバイスのみを搭載したオールフラッシュストレージが本格的な成長を始めているという。

2015年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステムのクラス別売上額は、ハイエンド(システム価格3,000万円以上)が前年同期9.9%増の133億3,700万円、同4.6%減のミッドレンジ(同500万円~3,000万円未満)が162億300万円、ローエンド(同500万円未満)が同0.9%増の171億1,800万円となった。ハイエンドの高成長には、メインフレーム向けの成長とともにオープンシステム向けでの更改案件が寄与したとしている。

2015年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム出荷額(Vendor Revenue)は443億7,600万円で、サプライヤー別出荷額の上位5社は日立製作所(シェア19.1%)、EMC(15.1%)、富士通(13.2%)、NEC(9.8%)、IBM(9.3%)。

IDC Japanのエンタープライズインフラストラクチャ/IPDS/PCs グループディレクターである森山 正秋氏は「2015年第3四半期はオールフラッシュアレイが高成長を記録するなど、国内企業のストレージインフラに対する支出パターンの変化が見られた。サプライヤーはこうした変化に対応した製品戦略やパートナー戦略の強化が求められる」と述べている。