楽天は12月25日、ネットショップの構築・運営する4社が新たな決済オプションとして、楽天が提供するID型決済サービス「楽天ID決済」を2016年以降、順次導入すると発表した。
「楽天ID決済」は、楽天会員が楽天以外のECサイトにおいて、楽天会員IDを使ってオンライン決済ができるサービス。楽天会員IDに登録しているクレジットカード情報を利用して決済が行え、決済時には「楽天スーパーポイント」1%が獲得できる。
新たに「楽天ID決済」を導入するのは、「カラーミーショップ」を運営するGMOペパボ、「MakeShop」を運営するGMOメイクショップ、「たまごリピート」を運営するテモナ、「FutureShop2」を運営するフューチャーショップの4社。
「楽天ID決済」は今回の4社が加わることで計9社に導入され、新たに10万以上のユーザーが利用可能になるという。
楽天 チェックアウト事業 副事業部長 鈴木壮弥氏は、ネットショッピング決済時の悩みとしては、「カード番号を入力する手間」「不安感」「ポイントの汎用性」の3つがあると指摘。
同氏は「カード番号を入力する手間」については、「スマホにおいて外出先で決済情報を入力するのは面倒で、それがドロップにつながっている。個人情報の入力には通常5-10分ほどかかるが、楽天ID決済であれば数秒で終わる」と、とくにスマホユーザーにメリットがあると説明。
続けて「不安感」では、ECサイトごとにクレジット番号を入力するのは、情報漏洩につながる危険性がある点、「ポイントの汎用性」では、ポイントがいろいろなサイトで使えるどうかが懸念材料だとした上で、「楽天ID決済はこれらの課題を解決するサービスだ」と述べた。
すでに 「楽天ID決済」を導入しているあるECサイトでは購入単価が+11%、年間注文件数が+28%となり、要因としてポイントの効果が大きいという。
楽天 執行役員 矢澤俊介氏も、楽天ID決済の特徴を新たにユーザー登録することなく、楽天IDをそのまま使える「簡単」、利用者が新たにクレジットカード番号を入力する必要がなく、導入したECサイト側も個人情報を管理する必要がないという「安心」、楽天スーパーポイントを貯めることができ、それを楽天市場で利用できるという「お得」の3つだとし、「お得」部分が他の決済サービスともっとも違う点だと強調した。
そして、楽天 常務執行役員 高橋理人氏は、「楽天は、これまで楽天経済圏を構築すべく事業を行ってきたが、今後は経済圏を外(楽天市場以外)に向けて、オープン戦略をもとに進めていくことで、日本ECを活性化させていきたい」と述べた。