電通国際情報サービス(ISID)は12月25日、生体認証サービスに特化したLiquidが行う第三者割当増資を引き受け、同社株式を取得したと発表した。ISIDは、日本の金融サービス市場活性化への貢献および金融ソリューション事業の領域拡大を目的に、FinTech分野の有望なスタートアップ企業へ出資している。
Liquidは、生体認証にフォーカスした画像解析技術と、機械学習を利用したビッグデータ解析技術を持つ。これまでの生体認証を活用した本人確認における問題点であった「認証スピード」を短縮できる独自の認証アルゴリズムや、ユーザー登録数が増えても処理速度が落ちない仕組みを開発した。
生体認証の領域では、指紋から静脈、顔認証へと広げ、対象サービスも本人認証・決済からマーケティング支援へと拡大。同社の技術は、金融、医療、行政などさまざまな分野での適用が期待できるもので、特に金融関連では、生体認証だけで決済などの金融サービスの提供が可能となり、利用者の利便性を高めることができるという。
ISIDは、このような技術活用の拡大の可能性を高く評価し、今回の出資を決定したという。今後、Liquidのソリューションのマーケティングを支援するほか、ISIDが現在進めている、ASEANを中心とする新興国市場の開拓においてもLiquidの技術を展開していくことを検討している。同社のFinTechスタートアップ企業への出資は2例目で、住宅ローン領域に特化したサービスを提供するMFSへの出資がすでに行われている。