SCSKは12月25日、流通業や製造業販社向け貿易業務対応のSAP ERP ビジネステンプレートの「Trade-Kit(トレードキット)」の機能強化版を提供開始した。価格は税別で3000万円。すでに同サービスを利用している顧客は個別見積後の対応となる。

Trade-Kitは、「SAP Global Trade Management(SAP GTM)」をベースにした流通業、製造業販社向け貿易業務対応のビジネステンプレート。国内取引や輸出入、三国間の貿易取引などトレードビジネスにおける多様なシナリオを用意している。取引業務に必要な機能を実装しており、取引ごとの収益性把握をリアルタイムに行うことで経営のスピードアップや業務コストを削減できるという。

また、取引をパターン化したシナリオベースのプロトタイプを活用することで導入期間を短縮でき、導入コストの削減を実現。SCSKは、新たにSAPを導入する企業の多くが「SAP HANA」をベースとしたシステムを構築している動向を受け、Trade-Kitの機能強化版の提供を決定した。今回の最新版では、SAP HANA対応に加え、市場ニーズや顧客の要望を踏まえ、外貨建取引/ヘッジ会計における機能拡張を行っている。

代表的な機能強化ポイントとして、アプリケーションの最適化を行い、売買計上一覧、与信限度額管理表など従来のERPレポートの処理性能を向上。前バージョンと比べ、平均2~7倍(SCSKによる算出データ)の処理時間の短縮を実現した。

そのほか、ヘッジ会計で従来から対応している振当処理(為替予約によって確定した日本円の金額を外貨建取引に振り当てて記録する方法)に加え、独立処理(外貨取引と為替予約を別個の取引と見なしてて会計を行う方法)も選択可能な機能を拡張した。従来の振当処理からIFRSの独立処理へ変更することによる業務負荷を最小限に抑えることができるという。