日立造船と高輝度光科学研究センター(JASRI)は12月22日、大型放射光施設SPring-8を運転するために開発された制御フレームワーク「MADOCA II」をごみ焼却発電プラントのビッグデータ管理に適用するための共同研究・開発を開始したと発表した。

MADOCAIIはSPring-8を安定的に運転するための制御フレームワークで、データベース基幹部は12台のエントリークラスのサーバー計算機で構成され、1秒間に100万点以上のデータ収集を実現している。SPring-8は年間約5000時間の運転を行っているが、MADOCAIIを原因とした運転停止はなく、安定的に動作をすることが実証されている。

今回の研究では、MADOCAIIを活用した、数万点の大容量データを高速に収集できる技術の開発を行い、来年度中に同社の遠隔監視システム(remonシステム)のデータベースを置き換える予定。また、将来的にはインターネットを通じて、複数の施設のプラントや機械・設備メーカーなどのさまざまなビッグデータを集約し、運転員の判断を必要としないごみ焼却発電プラントの設計を目指すとしている。

remonシステムおよびMADOCAIIのシステム構成イメージおよび各種ビッグデータの流れ