日本オラクルは12月21日、クラウド型ビジュアル・アナリティクス「Oracle Data Visualization Cloud Service」を国内で提供開始した。
初めに、執行役 副社長 クラウド・テクノロジー事業統括の三澤智光氏は、「ビジュアル・アナリティクスとしては新製品。オンプレミスよりもクラウドサービスを先行してリリースするのは、私が知る限り、初めてであり画期的なこと」と、同社のビジネスがクラウドに重きを置いていることをアピールした。
続けて、三澤氏はビジュアル・アナリティクス製品をクラウドサービスとして投入した理由について、説明した。
「ビジネスユーザーが従来のBIとデータウェアハウスによる分析システムを使おうと思うと、社内のIT部門の手を借りる必要があり、セルフサービスではできない。これに対し、日本でも普及しつつあるビジュアル・アナリティクス製品はビジネス・ユーザーがデータソースに直接アクセスしてセルフサービスで分析が行える。さらに、従来型ビジュアル・アナリティクス製品には、"複数のコピーが存在する""データ変更時に整合性が取りにくい""クライアントのスペックに依存するため、大量のデータが扱いにくい"といった課題があるが、クラウド型ビジュアル・アナリティクス製品はこれらの課題を解決できる」
サービスの詳細については、クラウド・テクノロジー事業統括 クラウド・テクノロジー製品戦略統括本部 Cloud/Big Data/DISプロダクトマーケティング部 部長の佐藤裕之氏が説明した。
同サービスは、少人数のデータ活用と共有を対象としているが、そのほか、同社のビジュアル・アナリティクス製品としては、部門レベルのデータ活用と共有を対象とした「Oracle Business Intelligence Cloud Service」、エンタープライズレベルのデータ活用基盤を対象とした「Oracle Business Intelligence Cloud Service」「Oracle Big Data Discovery Cloud」がある。
Data Visualization Cloud Serviceがデータベースを使わずに表計算のファイルのみで分析を行うのに対し、Oracle Business Intelligence Cloud Serviceはデータベースも用いて分析が行え、定型帳票にも対応している。「Oracle Big Data Discovery Cloud」はExadata CloudやBig Data Cloudが使えるため、大量のデータ分析や非構造化データの分析まで行える。
佐藤氏は「われわれは小規模からエンタープライズまで対応したクラウド型ビジュアル・アナリティクスを提供するが、すべて同一のツールが利用できる点が特徴的」と語った。
Data Visualization Cloud Serviceは簡単な操作で高度な分析が行える点がウリだ。基本的な操作は、「分析対象のデータファイルのアップロード」「複数データをスキーマレスに統合」「データ項目を複数選択して推奨チャートを作成」といった3つの手順となっており、分析内容にもよるが、10クリック程度でデータロードからビジュアル・アナリティクスまで実行できるという。分析結果は、PCに加え、スマートフォンやタブレット端末でも閲覧できる。
「Oracle Data Visualization Cloud Service」の価格は、1ユーザー当たり月額1万8000円から(最小ユーザー数5人から、税別)となっている。1ユーザー当たりが利用できる容量は50MB、1契約当たりのデータ容量は50GBとなっている。
また、Business Intelligence Cloud Serviceは1ユーザー当たり月額3万円から(最小ユーザー数は10ユーザーから)の料金に加え、DB Shema Schema Serive(50GB)の料金が1スキーマ当たり12万円必要(いずれも税別)。