宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月18日、金星探査機「あかつき」に搭載された波長2μm付近に感度を持つ赤外線カメラ(IR2)の画像を公開した。

公開された画像は12月11日に撮影されたもの。画像では雲頂の高低が明暗で現れており、南北半球ともに緯度50度付近よりも極側で雲頂が低くなっていることがわかった。低緯度の縞模様や南北に延びる構造は、今回初めて捉えられた構造で、今後の観測と解析によって、金星雲層と大気のダイナミクスを解明する手がかりになることが期待されている。

「あかつき」にはIR2のほかに3つのカメラが搭載されており、すでに画像が公開されている。IR2は観測のために検出器をマイナス200度以下まで冷却する必要があったため、他の3カメラより立ち上げに時間を要していた。

金星探査機「あかつき」に搭載された赤外線カメラIR2の画像 (C)JAXA