政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)は18日、第14回会合を開き、2016∼20年度の「第5期科学技術基本計画」答申案を了承した。15年度中に閣議決定する。同計画は来年度から5年間の科学技術政策の方向性を定め、予算配分などにも直接影響する重要な意味を持つ。

基本計画は、「基本的な考え方」の中で「東日本大震災からの復興再生も道半ばで、着実に対応していく必要がある」と、防災、復興関連技術の重要性を指摘した。また、省エネや再生可能エネルギーの開発を促進する、とした。今後強化する技術としてはロボットや人工知能、サイバーセキュリティー技術などを挙げた。

今回の計画は、具体的な指標や目標値を定めたのが特徴。主要指標の政策目的として「未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出」「経済・社会的課題への対応」「科学技術イノベーションの基盤的な力の強化」「イノベーション創出に向けた人材、知、資金の好循環システムの構築」の四つを挙げた。

その上で具体的な指標として、若手研究者の雇用安定のために40歳未満の大学教員を3割以上に増やす目標や、女性研究者の新規採用を3割にする目標、論文についても引用回数「トップ10%」を全論文の10%にする目標などを盛り込んだ。

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