KDDIと阪神電気鉄道は12月14日、歩きながらスマートフォンを使う「歩きスマホ」による事故を防止するためのキャンペーンを12月末まで阪神電車の全51駅で行うと発表した。
両社は6月に歩きスマホ防止を啓発する取り組みを御影駅で実施。同駅は急カーブのホームがあるため車両とホームの間隔が広く、歩きスマホでよそ見をして転落する危険性が高いことから、同駅でポスターやステッカー、ティッシュ配りなどの事故防止キャンペーンを先行実施した。
その結果、朝のラッシュの1時間で、キャンペーン実施前には112名の"歩きスマホ"をしている人がいたのに対し、実施後は30名と大幅に減少したことから、キャンペーンの有用性を認め、今回の全51駅での実施につながったという。
また、今回のキャンペーン実施にあたっては、啓発動画を作成。神戸三宮駅で、歩きスマホをしている利用者に対して「歩きながらのスマートフォンの利用はおやめください」と通常のアナウンスに続き、「そこのベビーカーを押しているお母様」と、歩きスマホをしている人物に直接語りかける構内放送を流し、ユーザーに改善を促した様子を撮影した。
多くの"歩きスマホ"をしている利用者が驚いており、即座にスマートフォンをポケットにしまっている様子が見て取れる。
なお、今回の事故防止キャンペーンは、構内放送は対象ではなく、電車内や全駅におけるポスターの掲示となる。また、17日は梅田駅、18日は御影駅で、歩きスマホ防止を訴えるチラシを同封したポケットティッシュの配布が行われる。
記者説明会で阪神電気鉄道 都市交通事業本部 運輸部 神戸駅管区 駅長の丸本 義久氏は、動画について「インパクトを与えるような形で歩きスマホ防止について訴えたかった」と語り、ついやりがちな行動を、意識を持ってやめてもらいたいと呼びかけた。
また、KDDI 理事 関西総支社長 松尾 恭志氏も、「われわれもこれまでにKDDIケータイ教室などの取り組みから、マナーについて説明を行ってきたが、公共の場でのマナーの啓蒙活動をということで、阪神さまとの意見が一致し、今回の取り組みが実現した。将来的には、ほかの鉄道会社さま、全国的に広がっていけばいいと感じている」と話していた。