日本オラクルは12月8日、製造業向けに、販売・生産計画・製造・購買までのサプライチェーンを一元化するクラウドサービス「Oracle Supply Chain Management(SCM) Cloud」の最新版(Release 11)を発表した。
米オラクル アプリケーション・ディベロップメント SCMエグゼクティブ・オフィス シニア・バイスプレジデントのリチャード・ジュエル氏は、同社のサプライチェーン・クラウドの戦略について「まずは、ハイテク業界と製造業界向けに必要な仕組みを提供し、ベストなSCMを迅速に提供することを目指している」と説明した。
また、「競合は既存のアプリケーションをマネージド・サービスとして提供しているケースが多い。しかし、クラウドサービスはそれではいけない。そこで、われわれは最新技術を用いて、一から開発を行った。そのため、SCM Cloudはすぐれたユーザー・エクスピリエンスを提供できるとともに、拡張やアップグレードを迅速に行える」と、競合製品に対する優位性をアピールした。
さらに、「タブレットやモバイル端末などあらゆるデバイスで最適化」「リアルタイムでのコミュニケーション機能の内蔵」「BIの組み込み」「ユーザー自身が設定を変更可能」「Oracle PaaSでカスタマイズが可能」といったことも、Oracle SCM Cloudのメリットとして挙げられた。
今回、需給計画クラウド「Oracle Planning Central Cloud」、生産管理クラウド「Oracle Manufacturing Cloud」が追加され、さらに受注管理クラウド「Oracle Order Management Cloud」をはじめとするその他の「Oracle SCM Cloud」ソリューションにおいても機能が強化されている。
「Oracle Planning Central Cloud」は、需要計画・在庫・供給計画を直観的でわかりやすい画面で最新のアナリティクス・ワークベンチに統合する。また、需給計画状況を多次元分析フレームワークと組み合わせ、サプライチェーンで発生している複雑な問題を的確に表示することができる。
「Oracle Manufacturing Cloud」は、正確な部品投入計画、製造工程手順の計算、作業指示書の発行、生産現場のモニタリングが行える。これにより、作業進捗状況の遅れや部品や工程の問題点の確認、また製造コストの分析によるコスト抑制に貢献する。
ジュエル氏によると、SCMにおいてクラウドの利用が最も進んでいる分野は輸送管理だという。これに、PLM、オーダー管理が続く。