ジャストシステムは12月3日、日本語ワープロソフト「一太郎2016」「一太郎2016 プレミアム」「一太郎2016 スーパープレミアム」と日本語入力システム「ATOK 2016」(ベーシック版・プレミアム版)を2016年2月5日から販売することを発表した。

「一太郎2016」と「ATOK 2016」のラインアップ

ジャストシステム 代表取締役社長の福良伴昭氏は、2016年版の両ラインアップについて「楽しみにしていただいているお客さまにきっと喜んでもらえるような出来栄えになっている」とコメントした。

ジャストシステム 代表取締役社長 福良伴昭氏

「一太郎2016」の強化テーマとしては、「新しい環境への対応」「表現力の強化」「文章の洗練、効率アップ」が挙げられた。

「新しい環境への対応」については、高精細ディスプレイに対応したほか、「一太郎2016」で作成した文書を、スマートフォンやタブレットから閲覧できる新サービス「一太郎モバイルビューイング」が開始される。モバイルビューイング機能を使って専用サーバに一太郎文書を送信すると、「一太郎モバイルビューイング」アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットで閲覧できるようになる。製品発売日にあわせて、公開される予定となっている。

高精細ディスプレイに対応したことによって、ボタンやメニュの視認性が向上

また、「Windows 10」への対応に加え、タブレットPC向けに指で操作しやすく、文書を読むことに集中できる「タブレットビューア」が搭載。2 in 1タブレットPCではキーボードを外してタブレットモードになると、「一太郎2016」が自動認識して「タブレットビューア」に切り替わるようになっている。

「表現力の強化」については、一字ずつ文字のサイズや配置を自動でレイアウトし、おしゃれなタイトル文字が作成できる「モジグラフィ」機能と、人物や物の形にそって簡単に切り抜きが行える「写真の切り抜き」専用ツールが新搭載。

「モジグラフィ」では各種テンプレートが用意されている

「文章の洗練、効率アップ」については、「Just Right!5 Pro」の校正エンジンを搭載したことにより、誤字脱字や同音語誤りなどの指摘精度が向上しているという。

「と」や「の」など助詞の用法誤りも指摘される

「一太郎2016 プレミアム」では、統合グラフィックソフト「花子2016」、読み上げソフト「詠太6」に加え、2年ぶりのバージョンアップとなるインターネットメールソフト「Shuriken 2016」、高品位書体「モトヤフォント」、30万語の語彙数を収録する「精選版日本国語大辞典」が搭載。「一太郎2016 スーパープレミアム」では、240年以上の歴史を持つ「ブリタニカ国際大百科事典」と、一太郎開発者が一押しの機能を紹介するガイドブックが提供される。

個人では契約できない「ブリタニカ・オンライン・ジャパン」の利用権もスーパープレミアム版には付与される

「一太郎2016」シリーズのラインアップ

「ATOK 2016」の強化テーマとしては、「意図をくみ取る」「知りたいに応える」「健康をサポート」が挙げられた。

「意図をくみ取る」については、ほかの文書や同一文書内を参照しながら文字入力をする際、参照している間のみ、自動的にその文書内のことばやフレーズを優先して変換候補や推測候補として提示する「ATOKインサイト」が新搭載。「一太郎2016」「Shuriken 2016」に加え、Microsoft Word、Excel、Outlook、SNSやホームページといったブラウザを参照先文書として本機能が利用できる。

「ATOK 2015」との比較。左が「ATOK 2015」、右が「ATOK 2016」

母音の押しそこねやホームポジションからずれて入力した場合などでも、適切な訂正候補を提示し、入力支援を行う「ATOKタイプコレクト」も新搭載。同社調べでは、前バージョン比で約2倍の入力補正を実現しているという。例えば、「ありがとう(arigatou)」とタイピングする際に指が右にずれてしまうと「sとhsyぴ(stohsypi)」となってしまうが、このような場合でも「ありがとう」が類推されるようになっている。

指が右にずれてしまった場合も補正される

「知りたいに応える」については、従来は入力・変換中のことばに対してATOK連携電子辞典での検索が可能だったところを、新搭載の「ATOKイミクル」により、確定後のことばやホームページなど閲覧文書内のことばに対しても辞典検索が行えるようになった。調べたいことばを範囲指定し、「Ctrl」キーを2回押すだけで、辞典検索した結果が表示される。

大まかな範囲選択で辞典検索が可能

「健康をサポート」については、「リフレッシュナビ」が新搭載。この機能は、「ATOK」が連続入力時間や入力文字数、入力ミス回数などから疲労度合いを測定し、休憩が必要と判断したときに、画面隅にポップアップ表示をして休憩のタイミングが知らされる。

「リフレッシュナビ」の画面イメージ

判定された疲労度合いによって、異なるメッセージが表示される。疲労を判定する指標には、"指の移動距離"といった遊び心も垣間見える。

「ATOK 2016」シリーズのラインアップ

価格は、「一太郎2016」が2万円、「一太郎2016 プレミアム」が2万5000円、「一太郎2016 スーパープレミアム」が3万8000円。「花子2016」が9800円。「Shuriken 2016」が4800円。「ATOK 2016 for Windows [ベーシック]」が8000円、「ATOK 2016 for Windows [プレミアム]」が1万2000円。いずれも税別。

なお、ジャストシステム直営ECサイトでは、すでに予約受付中だ。