Universal Robotsは12月2日から5日までの期間、東京ビッグサイトで開催されている「2015国際ロボット展」で自社の協働ロボットを展示している。
協働ロボットとは、工場の製造ラインなどで作業者と同じ空間で利用される産業用ロボットのこと。同社はこの分野では売り上げ・販売台数で競合他社を圧倒する実績を持つ。
同社のロボット最大の特徴はプログラミングが容易であるという点で、専用タブレットからメニューを選択する方法のほか、作業者がロボットの関節を動かして動きを教える学習モードが用意されている。また、工場内で簡単に再配置できるように工夫されていることや、半日でセットアップが完了することも強みとなっている。
製品としてはUR3(可搬重量3kg)、UR5(可搬重量5kg)、UR10(可搬重量10kg)の3種類があり、同社のブースでは全3種類が稼働する様子を見ることができる。
今回、同展示会を訪れていた同社CEOのエンリコ・クロー・イバーセン氏とアジア・太平洋地域(APAC)担当General Managerのシャーミン・ゴットフレッセン氏に、日本を含むAPAC市場のビジネス状況や今後の開発方針について話しを伺った。
より直感的なプログラミングを目指す
--日本やAPACでのビジネスの状況を教えて下さい。
ゴットフレッセン氏:UR3を発表して以来、日本を含むAPACでは予想以上の結果となっています。APACの中では中国とインドを除くと、韓国、シンガポール、日本がトップ3です。
--UR3の反応が良いのはなぜでしょうか?
ゴットフレッセン氏:(従来のサイズでは)これまで自動化できていなかったことを自動化する機会が出てきたからだと思います。ただ、ビジネス的にはUR5、UR10、UR3は同程度の規模となっています。
--主にどのような業界の企業がロボットを導入しているのでしょうか?
イバーセン氏:UR3は電子部品業界の企業が多く、スマートフォン部品の研磨などで使用されています。製品全体だとサブサプライヤーを含めた車業界が多いです。
--今後の開発の方向性を教えて下さい。
イバーセン氏:より安全に、よりプログラミングしやすくなるように開発していきます。安全性に関しては当社のロボットそのものには問題はありませんが、協働ロボットが普及していくにしたがって周辺機器が増えてくるので、それにしっかりと対応していきます。プログラミングに関してはより直感的にできるようにしていきます。
--"より直感的"にとは具体的にどういう意味でしょうか?
イバーセン氏:例えば、工場内をロボットに見せることで最適な動作をロボット自身が導き出せるようになったり、熟練者の動きを見るだけでロボットがその動きを学習できるようになります。これを実現するためにこれから開発しなくてはならない技術もありますが、7年以内に実現したいと考えています。