u-blox(ユーブロックス)は12月2日、報道陣に向けた記者会見を行い、日本市場における2016年度の事業戦略を発表した。
ユーブロックスは、1997年に設立したスイスの半導体企業で、ワイヤレス通信、測位用半導体におけるICとモジュールの両方を提供している。自動車向け通信および測位用半導体の需要の高まりとモバイル端末の急速な普及を背景に、同社は順調に成長を遂げており、2015年度上半期の売上高は前年同期比33.1%増を記録したという。
ユーブロックス CEO兼マーケティング・営業部門最高責任者 トーマス・ザイラー氏は、急速に拡大するIoTおよびM2M市場について「IoT市場は、産業向けと個人向けの2つに分けられる。産業用のなかでも最も大きい市場は、スマートシティ。次に、製造、M2M、自動車と続く。これらはビジネスに不可欠なインターネットで、B2Bアプリケーションから得られるデータの価値は、FacebookやTwitterから得るデータの価値に勝る」としたうえで、「私たちは中核技術をコントロールしているので、IoTのなかでも大きなビジネスをサポートできるコンポーネントを提供できる。産業要求に応えられるよう安全で堅牢性の高い製品を作っていきたい」と今後の展望を語った。
同社は特に、自動車市場と産業市場の2つの市場を2016年度の日本における注力市場と位置づけている。
自動車市場において同社は、衛星測位システム(GNSS)やセルラー通信、Wi-Fi、Bluetooth通信などに関わる車載用製品・コンポーネントを提供していく。特に、コネクテッドカー市場向けに自動運転対応の高精度GNSSと車車間通信(V2V)モジュールを提供。また、レーダー探知機などのスタンドアロン製品の設計から大量生産、国内での技術サポートも行っていく。準天頂衛星システム(QZSS)衛星信号を含む次世代製品の開発も推進していくという。
産業市場においては、すべてのワイヤレス通信技術とGNSS向けに、高品質のチップおよびモジュールの両方を提供していく。特にスマートメーター、フリートマネジメントなどのスマートインダストリー、ヘルスケア用アプリケーション市場向けの事業強化を図るため、国内での技術サポートを提供し、セルラー通信やWi-Fi、Bluetooth通信に関するソフトウェアベンダーとの協業を強化していくとしている。