アドビ システムズは1日、Adobe Creative Cloud 2015のメジャーアップデートが全世界のCreative Cloudメンバー向けに提供開始したことを発表した。あわせて、オーサリングツール「Flash Professional CC」を、さまざまなプラットフォームで再生可能なアニメーション制作ツールとして「Adobe Animate CC」に改称することも発表した。

デスクトップアプリケーションに関する主なアップデートとして、「Photoshbop CC」には新たにレイヤーパネルを閉じたままデザイン作業できるワークスペース「Design Space」(プレビュー版)が搭載されたほか、アートボードのカスタマイズ機能も拡張。さらに、ツールバーのカスタマイズが可能になったのに加えて、UIとCreative Cloud Librariesが改善がなされている。

Illustrator CC」には、手描きのジェスチャーによる描画を正確な幾何学形状に変換する「シェイパーツール」が新搭載されたほか、インタラクティブでダイナミックな調整が可能な楕円、多角形、線の新しいライブシェイプが追加されている。また、「InDesign CC」には、印刷用のレイアウトを簡単にオンラインで公開できる「Publish Online」(プレビュー版)を搭載するなど、レイアウトされたページの作成と配信をより短時間で行えるようになっている。

Premiere Pro CC」は、4Kおよび8Kの高精細映像編集に対応する広範なフォーマットにネイティブ対応したほか、ハイダイナミックレンジ(HDR)のワークフローをサポートし、映像における色彩表現への対応がさらに強化されている。

このほか、「After Effects CC」は、Premiere Proが既に搭載するパワフルなカラーツールとカラーワークスペースが新搭載。「Audition CC」には楽曲としての一貫性と構造を維持したまま指定の長さに合わせて自動編集する新しいオーディオ機能「Remix」が追加されるということだ。

また、「Flash Professional CC」は、近年Open Web標準およびHTML5がWeb制作における標準となったことから、この変化に対応するためプログラムを刷新し、HTML5 CanvasおよびWebGLをネイティブでサポートするだけなく、拡張が容易なアーキテクチャを採用することで、SVGなどのフォーマットへの出力を可能にするとともに、今後登場するであろうプラットフォームでのアニメーション制作に最適なツールであることをより明確に示すために、アプリケーションの名称が「Adobe Animate CC」に改められた。同アプリケーションは、2016年初頭の提供開始が予定されている。

さらに、Photoshop CCとともに用いる、3Dデザイン向けの新製品「Adobe Fuse CC(プレビュー版)」の提供も開始した。同ソフトを使えば、3Dデザインの経験がないアーティストやデザイナーでも、体のパーツと衣服データ、テクスチャを組み合わせて、プロトタイプなどに利用が可能な独自のキャラクターを簡単に作成できるという。

なお、最新情報ページでは、各アプリケーションの新機能が動画で紹介されている。

「Adobe Stock」に100万以上ものHDビデオが追加され、ストック画像が4,500万点以上に

このほか、ストックフォトサービス「Adobe Stock」に100万以上ものHDビデオが追加され、ストック画像が4,500万点以上となったほか、新たに「Dreamweaver CC」からのアクセスが追加されたと。Photoshop CC、InDesign CC、Illustrator CC、Premiere Pro CC、After Effects CCには既に統合されているが、2016年初頭からは「Muse CC」と「Animate CC」から直接Adobe Stockにアクセスできるようになるとのことだ。